「絞首刑」を読みました。


 最近、講談社から発売されたばかりの青木理さん著「絞首刑」(講談社文庫)を買って読みました。

 死刑制度についてはその存続・廃止をめぐって激しい議論が昔から続いていますが、上記書籍はその点についての意見を表明するものではなく、死刑判決が下った事件をいくつか取り上げ、死刑囚との対話(面会)を通じて得た人物像等を具体的に描いています。その上で、同人物には「本当に更生の可能性がないのか」という点について疑問を投げかけています。
 著者は、フライデーに死刑囚の写真(拘置所でこっそりと撮影したもの)を掲載して話題になった方でして、何故そのような掲載に踏み切ったのか、何を伝えたかったのかという点について上記書籍では明らかにされています。
 拘置所の運用に反して写真撮影したこと、同写真を週刊誌に掲載したことの是非はさておいて、死刑囚との面会、手紙のやりとり等は厳格に制限されているわけですが、この点について著者の視点がはっきりと明示されており、現制度、現運用の問題点を知ることができる点で、上記書籍は有益だと思います。

 被害者遺族の心情や死刑制度の犯罪抑止効果(実際に抑止力があるかどうかは証明されていませんが。)を思うと安易に死刑の廃止を唱えるわけにはいきませんが、いくつもの冤罪が発生している現況に鑑みると、誤って死刑執行した場合には取り返しがつかないわけですから、個人的には死刑制度の維持が本当によいのか、疑問を感じています。死刑制度を維持するのであれば、少なくとも、冤罪を防ぐための制度(例えば、取調べの全面可視化)を導入する等して、冤罪発生のリスクを最小限にすることが必要なのではと思っています。


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