履歴書の重要性
昨日、今日と担当している刑事事件の記録の読み込みに没頭しています。
簡易な事件だと記録の分量は少なく、1~2時間もあれば目を通すことができますが、
例えば、複数の事件が起訴された事案や裁判員裁判の事案では、記録の分量が多くなり、
目を通すだけでも大変といったことになります。こういうとき、私の場合は、まとまった時間を確保して集中的に読み込むという対応をしています。他の業務と並行して(他の事件の処理の合間を活用して)少しずつ読み込んでも、なかなか頭に入ってこず、証拠構造や全体像を把握しにくいと感じているからです。
刑事事件だけでなく民事事件であっても、大量の記録を読み込むには、裁判所等からの電話がない土日祝日や平日の早朝又は夕方以降の時間帯を利用するのが最も集中できて効率的だと思います。
さて、4月から司法修習が始まったと思いますが、司法修習生の就活はそれ以前から始まっているようです。大手の事務所の場合には、司法修習開始前に内定が出るのが一般的だと聞いたことがありますが、個人事務所を含む小規模事務所の場合には、これから選考を行って内定を出していくことが多いと思います。
弊所(琥珀法律事務所)も選考はこれからになりますが、これから就活をする司法修習生に対してのアドバイスとして、履歴書の重要性をお伝えしたいと思います。
書類選考において履歴書が重要であることは当然ですし、そんなことはだれでも知っていると思いますが、それにもかかわらず、記載内容が足りないと感じる履歴書を目にすることが少なくありません。
もしかすると、ネット等で拾った書式に基づいて履歴書を作成した場合、志望動機の欄が小さくてあまり書けないという事情があるのかもしれませんが、そういった場合には、別紙を添付して職歴や志望動機、自己PRをした方がよいと思いますね(履歴書が事務所や会社所定のものに限定されている場合は記載内容が必然的に制限されるので、仕方ないと思います)。
職歴や学歴、履歴書とは別に提出を求められる成績表(司法試験、法科大学院)の内容は過去の事項ですから、どれだけ頑張っても変更できないのに対し、志望動機や自己PRは、事務所や会社の分析、自己分析を通じて充実させることが可能です。ましてや、面接と異なり、履歴書の作成は時間無制限で取り組めるわけですから、職歴がない(空白期間がある)、成績がよくないといった事情がある場合には特に、志望動機や自己PRをしっかり書くことが大切だと思います。
また、志望動機は、なるべく具体的に書いた方が印象がよくなると思います。「一般民事事件に興味がある」、「労働事件をやりたい」等の志望動機をよく見かけますが、なぜ、その分野の事件をやりたいのか、その分野の事件や業務を取り扱っている事務所や会社が複数ある中で、応募先の事務所や会社を選んだのはなぜか、といった点を意識して志望動機を具体的に書いた方が書類選考は通りやすくなるはずと思っています。
とはいっても、実際に弁護士になって事件を担当していない段階で、具体的にやりたい分野がある人の方が少数派ではないかとも思われるところでして、そういった場合にどう記載するのがよいかは悩ましいと思います。また、実際には、行きたい事務所や会社を一つに絞って応募することも少数派であり、第二志望、第三志望を決めて複数の会社や事務所に応募することが多いと思いますので、そういう場合も、志望動機をどう記載するかは悩ましいですよね。ただ、これらの場合であっても、複数ある中から選んで応募したこと自体は間違いないはずから、その選んだ理由をしっかり記載することを意識するとよいのではと思います。
多くの方は、労働条件、特に給与が高いことも選択の理由にしていると思いますが、待遇が魅力的であるといったことも志望動機の一つとして記載してもよいのではないかと思います。ただ、この場合も、待遇が同程度の会社や事務所は複数存在するはずですので、待遇の良さだけを志望動機として記載しても足りないのは当然であり、その他の理由と合わせて記載することは必要不可欠と思います。
その他、履歴書を手書きにした方が選考されやすいのでは?という質問を受けたことがあるのですが、私個人としては、最近の傾向として、手書きかパソコンかで選考結果には影響しないことがほとんどだと推測しています。私が大学生だった時代では、手書きで作成した方が応募先に誠意が伝わりやすいなんていう話があったんですけど、今は違うと思います。
そんなことを気にするくらいなら、誤字脱字の有無を気にした方がいいと思いますね。大事な履歴書において、誤字脱字が多くあると、それだけでよい印象をもたれにくくなると思います。
以上、このブログを読んでくれた方の参考になれば幸いです。
2025年4月9日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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