続・暴力団

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 最近、刑事事件の接見で1日中動き回っています。必然的に移動時間が長くなるのですが、駅構内の書店で見つけた溝口敦さん著「続・暴力団」(新潮社)が気になり、購入して一気読みしました。

 暴力団の構成員数は年々減少しているようですが、全国の都道府県で実施された暴力団排除条例は、暴力団と交際した企業の社名を公表する等の措置が定められており、企業等との関係を断たれるという点において暴力団にとって非常に厳しい内容となっています。社名公表された企業は、銀行等から新たな融資を受けられなくなり、取引先の企業から取引中止を言い渡されることもあるようですから、企業は暴力団との付き合いを控えるようになるわけです。これは、健全な社会の実現に資するという意味では非常に有意義とも思えるのですが、そうなると暴力団構成員(特に、末端の構成員)は生活できなくなりますから、その構成員(又は元構成員)の受け入れや就職支援等を検討することが必要ではないかと思います。この点を放置しておくと、マフィア化や暴力団ではない半グレ集団化が進行するだけでしょう。

 上記の書籍では、暴力団の取材を長年続けてきた著者ならではの鋭い分析がなされており、なかなか興味深いと思います。文体もわかりやすく、一気に読めます。

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