離婚事件の相談について
ここ最近、離婚事件の相談が多く、労働事件の相談よりも件数が多いくらいです。離婚するかどうかは、結婚するかどうかと同じく、人生においての大きな岐路で、相談にはきたものの、そもそも、離婚してよいのかどうか決断できない方が多いのが特徴ですね。
悩まれている方から「どうしたらいいですか。」とよく質問されますが、私としては、最終的には本人が判断すべき事柄であるとの考えを前提に、「数十年後の未来を想像できるかどうか(残りの人生を一緒に過ごすことをイメージできるかどうか)」、「今後、これまでの関係を改善できるかどうか」と問われて、「(答えが)NO」であれば離婚を前向きに考えてもよいのではとアドバイスしています。もちろん、それだけで全てを決定できるわけではないですし、別居開始の時期や離婚の時期を別途検討することにはなりますが。
「離婚する場合、どんなことが問題になるのか」、「どんな風に今後進行するのか」という質問もよく受けますが、(1)離婚するかどうか(相手は離婚に同意しているのかどうか)という点以外に、(2)財産分与(夫婦の財産を原則として折半することになります。ここにおける「財産」とは端的にいうと、婚姻後に夫婦で貯めたものを意味し、相続で得た財産や婚姻前の貯金等の財産は含まれません。)、(3)離婚慰謝料(どちらに有責性があるかによります。)、(4)年金分割(厚生年金、共済年金)(納付実績によります。)、(5)婚姻費用(別居後離婚成立するまでの生活費の支払)は一般的に問題になると思います。
そして、夫婦間に未成年の子どもがいる場合には、上記に加えて、(6)どちらが親権者となるか、(7)養育費の支払額(夫婦双方の収入を参考に、養育費算定表によって決定することがほとんどです。)、支払期限(原則20歳までですが、大学卒業時の22歳までと定められる場合もよくあります。)、(8)面会交流の方法、頻度が問題になります。
その他、相手方に不貞行為(いわゆる「不倫」)がある場合には、(9)不倫の相手方に対する慰謝料請求も別途問題になります。
で、その大まかな流れですが、裁判外での交渉から始まり、そこで合意に至らない場合には調停を申立て、調停が成立しなければ訴訟というイメージをお持ちいただければと思います。上記(1)の離婚すること自体に合意がある場合には、訴訟に至ることはめったにないですね。
「解決までにどのくらい時間を要するか」という質問もよくありますが、これは事案によるとしかお答えできません。早ければ1,2か月で離婚に至る場合もありますが、長引くと2年程度かかることもあります。離婚することに相手方が反対している場合や、どちらが親権者となるかについて争いがある場合には、長引く傾向にありますね。特に、親権について争いがある場合には、第一審だけで終わらずに控訴審までいくことも珍しくありません。
以上、離婚するかどうか悩まれている方の参考になればと思います。
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2015年6月7日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:仕事