解雇事件の特徴

 最近、労働事件の相談を立て続けに受けています。
一番多いのは、やはり解雇や退職勧奨に絡む事件です。相談される方は、当然のことながら突然の解雇通告や陰湿な退職勧奨に納得できないという人がほとんどでして、よくよく事情をお伺いすると解雇が有効と判断できる案件は極めて少ないですね。

 私の経験によれば、退職勧奨・解雇される場合のほとんどが、①会社の社長や上司に意見したことがきっかけで敵視されるようになった、②上司との人間関係がもともとうまくいってなかった等の人間関係のトラブル絡みです。そんな理由では解雇できないことを会社も十分認識してますから、表向きの解雇理由は「能力不足」、「事業規模縮小(経営不振)」、「勤務態度不良」といった事項を挙げてたりします。

 上記①はワンマン経営の会社、同族経営の会社に多いパターンだと思います。意見が正しいか否かはさておき、会社の業務方針、(正当な)業務命令に反して自己の意見を貫き、強引に実行する等した場合には解雇が有効となることもありますが、少なくとも、ただ上司に意見しただけという理由では解雇は無効でしょう。

 上記②については、人それぞれ性格が違うのは当然でして、上司や社長とそりが合わないことはよくあることです。ただ、そういう場合は、会社又は労働者のどちらかが一方的に悪いということはないと思います。会社側は面接で審査して自らその労働者を採用した以上、不運にもそりがあわなかったとしても直ちに解雇して会社から追い出すようなことはすべきではありません。お互いのために辞めてもらうのがよいと判断したのであれば、労働者の今後の生活のことを十分考慮して、給料数か月分を支払うといった手当(再就職するまでの手当)をして労働者の納得を得る努力をすべきでしょう。

 たまに、退職勧奨するにあたって給料1年分を支払うといった手厚い条件を提示する会社もありますが、そういうしっかりした会社はごく少数なのが実情です。

 

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2012年9月29日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:仕事

少年事件付添人活動研修会に行ってきました。

 昨日は事務所の業務を早々に切り上げ、夕方から「少年事件付添人活動(実践編)」という研修会に参加してきました。講義担当の先生は、元東京家裁少年部の部総括裁判官。裁判官の思考のプロセスや少年事件における両親の傾向、委託先の探し方等を知ることができ、有意義なものでした。

 研修を受講して、家裁調査官と綿密に連絡を取り合うことの重要性を再認識させられましたね。少年事件は、私の経験上、家庭内に大きな問題を抱えているケースが少なくありません。少年自身の資質の問題のみならず、両親や兄弟との関係、交友関係といった種々の問題を解決することが少年の真の更生には不可欠であり、少年事件においては家族の協力が非常に重要です。
 ただ、これらの問題解決の前提として、付添人と少年、その家族との間に信頼関係を築くことが必要になるわけですが(そうしないと付添人の一人相撲になってしまう。)、これがなかなか難しい。少年と面会を繰り返す、家族と頻繁に連絡を取り合う等して限られた時間の中で少しずつ信頼関係を構築するしかないわけですね。

 少年事件は大変ですが、少年が真に更生したときの嬉しさは忘れがたいものであり、そのやりがいは本当に大きいので、これからも少年事件には熱心に取り組んでいきたいと思います。
 

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2012年9月26日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:仕事

となりの闇社会

 気がついたら9月になっていましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。札幌にいる友人の弁護士が羨ましいかぎりです。

 さて、最近、一橋文哉さん著「となりの闇社会」(PHP新書)を買って読みました。ジブリの「となりのトトロ」をパロッたのでは?と思われる書名に惹かれて購入してしまいましたが(笑)、中身はいたって真面目なものとなっています。同書では、反社会的勢力が現状、どのように利益をあげているかを詳細に描いています。中でも詐欺集団のよる詐欺がどれほど巧妙かについて具体的に書かれており、実際に刑事事件で詐欺事件を数件担当したことのある私は非常に納得がいきました。今後、高齢化社会を迎えるにあたって高齢者の方を対象としたリフォーム詐欺や投資詐欺等が増加していく可能性は十分にあると思われ、周知徹底して注意を喚起しないといけないですね。
 ほかには、AIJ投資顧問株式会社による企業年金資産消失事件についても書かれてありまして、なかなか面白いと思います。


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2012年9月24日 | コメント/トラックバック(0) |

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裁判員裁判の公判前整理手続

 今日は、今担当している裁判員裁判の公判前整理手続の期日でした。
公判前整理手続とは、裁判員裁判の連日開廷に先立って、争点や主張を明確化するために実施される手続でして、この期日で証拠調べ請求と証拠採否の決定が行われます。

 この手続があるおかげで、争点を中心とした充実した審理を公判で連続的に行えるというわけです。法曹関係者は当然知っていますが、世間一般ではこの手続の存在はあまり知られていないようですね。裁判員裁判ごとに公判前整理手続が何回行われるかは異なりますが、少なくとも3回は行われていると思います。

 また、証拠開示も拡充され、類型証拠や主張関連証拠の開示請求によって、検察側の手持ちの証拠を見ることができますので、公判前整理手続は被告人にとってはよい手続ではないかと思います。なお、裁判員裁判対象事件は全て公判前整理手続に付されます。

 今は裁判員裁判を2件担当していますが、そのうち1件は10月に公判の連続開廷が予定されていますので、10月は忙しくなりそうです。

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2012年9月20日 | コメント/トラックバック(0) |

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2日連続で出張相談

 昨日、今日と2日連続で出張です。昨日は、名古屋にて労働問題の法律相談を受けました。3連休なので、そのまま名古屋にとどまるか、地元の京都に行って一休みするなりしたかったんですが、本日、福島への震災関連相談の出張予定が入っていましたので、昨日中に東京に戻りました。
 昨日は慌ただしい一日だったけど、、仕事の合間に名古屋在住の友人3人に会えてよかった。みんな元気そうで何よりでした。
 名古屋のお土産といえば「ういろう」ですが、実は修習で過ごした山口県も「ういろう」が有名です。名古屋の「ういろう」を買って食べたんですが、山口の「ういろう」よりもやや甘く感じました。ちなみに、山口ういろうで個人的なおススメは御堀堂のういろうですね。特に、御堀堂の生ういろうがイチオシです。真空パックではないので日持ちしませんが、抜群においしいです。御堀堂本店は山口地方裁判所のすぐそばにあるんで、ちょくちょく立ち寄ってました。


 上記のとおり、今日も出張なので、早起きして新幹線の中でこのブログを書いています。東北大震災から1年半経過していますが、東京電力に対する損害賠償は十分に進んでいるとはいえず、高齢者の方々の中には具体的にどうしていいかわからず、損害賠償の手続をとっていない方もいます。ほかにも法律問題は山ほどあり、避難所等の各地に行って相談に応じるのが今日の仕事です。
 お役に立てるように頑張りたいと思います。


 
 
 

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2012年9月16日 | コメント/トラックバック(0) |

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iPhone5が発表されました。

昨日の深夜2時くらいからApple社の恒例のイベントがあり、待ちに待ったiPhone5が発表されましたね。
驚くような進化ではないものの、重さや薄さ、待ち受け時間等は着実に向上し、正当な進化でしょう。LTE対応ですから、今後、着実に使用者数が増えていくものと思います。

なお、auから発売されるモデルはテザリング機能付きという噂が‥。これ1台でパソコンをどこでもネットに接続できるんですから大いに魅力的ですね。私はauのギャラクシーSIIを使ってますが、テザリング機能のおかげで、移動中でも快適に仕事できてます。
仕事やプライベートでの利用に備えて、現在、au、ソフトバンク、ウィルコムの3つの携帯電話を使っていて、今度買うならドコモにしようと思ってましたが、まさかのau2台持ちになるかもしれません。4台あれば、移動中の電池切れに悩まされることもなくなりますしね。




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2012年9月14日 | コメント/トラックバック(0) |

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平成24年度司法試験結果

 さきほど、平成24年度の司法試験の合格者数が発表されました。今年は、2102人が合格したようです。合格率は、25パーセントで昨年よりも合格率は微増してます。
 2000人+αと予想していましたが、予想よりも少し多めでした。予備試験組は85人(択一合格者は84人)が受験して58人が合格していますから、どの法科大学院よりも合格率は高いですね。これはある程度予想されていたと思います。

 何はともあれ、合格されたみなさん、おめでとうございます。残念ながら不合格となった方々は、しばらく休んだ後、論文答案を再現して誰かに見てもらう等して、自己の答案の書き方や弱点を確認した方がいいと思います。


参考リンク:新司法試験の合格率25% 「年3000人目標」届かず  :日本経済新聞

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2012年9月11日 | コメント/トラックバック(0) |

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初回接見は重要

昨日は、新たに依頼があった刑事事件の初回接見に行きました。「初回接見は急げ」とよく言われてますが、これは疑う余地のない真理ですね。弁護士が接見に行くまでの間にも取調は行われるわけでして、弁護士が依頼者の話を聞き、依頼者の了解を得て方針を決め、同方針を前提とした取調対応、取調に臨んだ際の心構え等を早急にアドバイスしないと、何も分からないまま取調を受けて調書を作成してしまう恐れがあります。いったん作成(署名、押印)した供述調書の内容について争うことは現実には非常に困難ですから、本当に注意しないといけません。
というわけで、裁判や別件の依頼者との打合せが入っている等、すぐに接見に向かえない場合を除いて、初回接見(特に勾留前)はできるだけ早く行くように心掛けています。
なお、初回接見は依頼者に説明すべき事項が多いため、その接見時間は2回目以降の接見と比べると概して長時間となります。昨日の初回接見の時間は約2時間半でした。

さて、話が変わりますが、今日は司法試験の合格発表日ですね。合格発表のニュースを見る度に、自分が合格したときのことを思い出してしまいます。今日は法務省周辺は騒然としそうですね。合格発表直前には、合格者数が何人になるのかって毎年話題になりますが、私は昨年と大差なく、今年も2000人+αだと予想します。2000人を割ることはないと思っているんですが、果たして結果はどうなるんでしょうか。あと、10時間後くらいに判明しますね。

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2012年9月11日 | コメント/トラックバック(0) |

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これから独立するなら

私が独立したのは2012年2月21日。早いもので、いつのまにか半年を経過していました。
本当にあっという間でしたね。

私の周囲でも、そろそろ独立しようか検討している友人が何人かいます。独立するにあたって、「うまくやっていけるか不安だ」という声をよく耳にするんですが、これは独立を考えている弁護士の共通の悩みですね。私も相当悩みました。弁護士の主な固定費は、事務所の賃料、事務員さんのお給料、光熱水費、広告費、弁護士会費ということになります。
この中でも、賃料と事務員さんのお給料が一番大きな出費になり、特に東京都内をはじめとした大都市圏だと、どちらの相場もその他の都市より高めですから、なかなか大変です。この点については、レンタルオフィスか宅弁(自宅で開業)でやって、電話代行業者に電話対応を依頼する等して節約することが可能ですが、依頼者(特に企業)の信頼確保、プライベートとのメリハリという観点からは宅弁よりも事務所をかまえるかレンタルオフィスにした方がいいと思います。なお、弁護士過疎地域だと賃料も一般的に安いところが多い反面、そもそもレンタルオフィスが存在しないので事務所を借りた方がいいかと。
個人的には、数人の知り合い、友人と一緒に独立して共同経営でやっていくのが経費の節約という観点、弁護士ごとの専門性の確立(それによる信頼確保&受任率アップ)という観点から無難だと考えています。レンタルオフィスといっても、ある程度の執務スペースを確保しようとすればけっこう高い金額が必要になりますし(私が独立するときもレンタルオフィスを検討しましたが、ビルが立派だったり、駅へのアクセスがよかったりすると、賃料が予想以上に高めだったので、やめました。)。東京だと、実際に数人で一緒に独立して共同経営する人が多いようです。共同経営の難点は、弁護士同士で対立した場合に事務所解体、分裂の恐れがあることですが、ここは従前によく話し合っておくか、同じ方針の弁護士としか一緒にやらないとすることでリスクを減らすしかないでしょう。

今後、弁護士業界がどうなるか分かりませんが、もしかしたら私も数年後には共同経営に移行しているかもしれません。


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2012年9月9日 | コメント/トラックバック(0) |

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盗撮容疑の大阪地裁判事補の処分

先日に盗撮容疑で逮捕された大阪地裁判事補についてですが、大阪地検が略式起訴の方針を固めたとのニュースを見ました。略式起訴⇨罰金30万くらいでしょうか。
それよりも、裁判所内部での処分の方が気になりますね。裁判官分限法第2条によれば、裁判官の懲戒処分は戒告か1万円以下の過料と規定されていますが、かかる懲戒処分では国民が納得しないでしょう。本件は裁判官弾劾法第2条の「その他職務の内外を問わず、裁判官としての威信を著しく失うべき非行があつたとき。」に該当するとされて、弾劾裁判によって罷免される可能性が十分あると思います。実際には、処分が下る前に依願退職することになるのではないでしょうか。



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2012年9月7日 | コメント/トラックバック(0) |

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