平成29年司法試験について

 久々に、昨日・今日と続けて土日出勤しまして(年明けからけっこう休んでました。おかげで元気いっぱいです。)、息抜きに今日もブログを更新したいと思います。

 さて、少し前に、平成29年司法試験の出願者数(速報値)がネット上で発表されたようです。それによれば、今年の司法試験の出願者数合計は6716人。毎年順調に?減少していることを寂しく思いますが、法科大学院の数自体が減っているのでやむを得ないのかもしれません。

 合格者数が一気に減らされることはないと思われますので(毎年1500人くらいに落ち着くのではと思っています。)、このまま出願者数(正確には受験者数ですが)が減少していくと、法科大学院発足を含めた司法改革において想定していた高い合格率に至るかもしれないですね。それはそれでよいことだと思いますが、その前提として、法科大学院入学段階における適切な競争、法科大学院での適切な育成(例えば、簡単に単位を認定しないといったことに加えて、実務に直結するような内容の授業を多く行う等)があって欲しいと思います。

 なお、司法試験の選択科目ごとの出願者数も発表されていますが、労働法と倒産法の選択者数が多いですね。私の実感ですが、弁護士になったら労働法も倒産法も避けて通れないので(企業法務や渉外事件、刑事事件に特化している事務所はもちろん除きます。)、両科目を選択するのは合理的だなと思います。企業法務を主に取り扱う事務所を志望する方は、知的財産法、経済法を選択するのもよいでしょうね。もちろん、司法試験での知識だけで実務をこなせるわけではありませんが、一通り勉強していると、何も知らない状態で一から調べることに比べて格段に楽だと思います。
 このように偉そうに言っている私は、租税法を選択しました。当時は「税務に詳しい弁護士になりたい。」と意気込んでいたことに加えて、租税法は覚える量が少なくてすむという話を小耳に挟んだもので…。で、実務に役立っているかと問われると、「税務について問われることは多くはないが、問われたときに『それは税理士さんに相談してください。』等と逃げることなく、調べて回答できるので(回答する気になるので)役には立っている。」というのが答えになります。

 今年の司法試験を受験する方は、体調管理に気をつけて頑張ってください。試験日まであと3ヶ月を切っていますから、ここからは新たな基本書や問題集に手を出すのではなく、これまで勉強してきた基本書や問題集を復習して知識の穴をなくすのがよいと個人的には思っています。

 

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2017年2月26日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:日記

未払賃金立替払制度をご存知ですか?

 最近、未払賃金立替制度について調べる機会がありましたので、このブログでも少し触れたいと思います。

 そもそも、未払賃金立替払制度の存在自体を知らない方が大多数だと思いますが、この制度を知っておくと、もしもの時に役に立ちます。詳しい内容は、独立行政法人労働者健康安全機構のホームページ(http://www.johas.go.jp/)に記載されていますので(未払賃金立替払制度のパンフレットもダウンロードできるようになっています。)、ここでは大枠だけ簡単に説明したいと思います。

 「会社が倒産して給与が支払われなくなった」、「(会社が倒産してないけど)赤字経営で事業が停止して、給与が払われない」なんていう事態が発生したときこそ、未払賃金立替払制度の出番です。
 未払賃金立替払制度は、労働者の生活安定を図るための制度であり、一定の要件を満たせば国が事業主に代わって未払賃金の一部を立て替えて支払ってくれます。

 具体的には、(1)労災保険の適用事業で1年以上事業活動を行っていた事業主に雇用され、企業倒産に伴って賃金未払いのまま退職した労働者であること、(2)裁判所への破産手続開始等の申立日又は労働基準監督所長への事実上の倒産認定の申請日の6か月前の日から2年の間に当該企業を退職していること、(3)未払賃金額等について破産管財人等の証明又は労働基準監督署長の確認を受けていること、という要件を満たせば、未払賃金立替払制度を利用できます。

 上記要件でのポイントは、事業主(法人だけでなく個人も含みます)が法律上の倒産手続(破産、特別清算、再生、更生)をとっている場合に限られず、事実上の倒産と認定された場合でもこの制度を利用できるという点です。

 事実上の倒産とは、事業主の事業活動が停止し、再開する見込がなく、賃金支払能力がない状態を意味し、この点について労働基準監督署長の認定を受ける必要があります。(なお、事実上の倒産の場合には、事業主が中小企業事業主に限られるという点だけ要注意です。何が中小企業事業主にあたるかは、業務の内容によって細かく分類されていますので、ここでは割愛します。)。
 ちょっとわかいにくいと思いますが、例えば、会社の経営陣が法律上の倒産手続をとらないまま夜逃げしてしまい、いきなり給与が払われなくなったというような場合でも未払賃金立替払制度を利用する余地があるということになります(繰り返しになりますが、この場合には労働基準監督署長の認定を受けることが必須です。)

 上記制度で立替払いされる金額は未払賃金総額の80パーセントですから(ただし、退職日における年齢によって限度額が設けられています。)、けっこう助かるのではと思いますね。

 請求手続については、簡単にいえば、証明書(法的倒産手続をとっている場合は破産管財人等に申請し、事実上倒産の場合には労働基準監督署長に申請をして発行してもらいます。)を取得して、必要事項を記入した立替払請求書等と一緒に労働者健康安全機構に送付するという流れになります。弁護士等の専門家に依頼しなくても、未払賃金立替払制度のパンフレットがあれば(上述した通り、労働者健康安全機構のホームページからダウンロードできます。)、それを参照しながらけっこう簡単にできると思います。

 以上、このブログの読者の参考になればと思います。たまには役に立つ情報も書かないといけないなと思って、今回は気合入れて書きました(笑)。

 

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2017年2月25日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:仕事

新人弁護士、経験者弁護士の募集

 おはようございます。当事務所の弁護士の出勤時間は午前10時と定められており、私も同様ですが(とはいいつつも、度々、昼出勤になることがあります。)、今日は珍しく7時前に出勤して業務に励んでいます。
 朝のよいところは、電話もかかってこず、また、誰も出勤していなくて質問されることもないので、仕事に集中できることですね。1時間半集中して仕事できました。

 さて、ふと思ったのですが、今年も70期の弁護士の採用を予定していますが(いい人がいれば)、それに限らず、他の事務所で一定の勤務経験のある経験者弁護士の採用も考えています(即戦力となるくらいの経験をお持ちの方については大歓迎します)。
 現時点で私を含めた弁護士数は18名であり、それなりの所帯になりましたので、今後の全国展開(まずは高裁がある都市に支店を展開したいと考えています。)を見据えて、全国転勤可能な方又は地方勤務可能な方を優先的に採用したいと思っています(なお、いきなり支店にいってもらうのではなく、東京で一定期間勤務してもらい、経験を積んでもらいます。)。
 しかし、実情は、求人への応募があっても、東京勤務を希望する方が多く、地方勤務に積極的な方が少ないのが悩みですね。

 当事務所は東京の恵比寿と新宿に2店展開していますが、既にそれなりの数の弁護士がいて事件対応が追いつかないという事態にはなっておらず、東京勤務の弁護士を採用するとしても現状ではせいぜい1、2名かなと考えています。
 弁護士業界も競争社会となり、漫然と経営していると淘汰される時代ですので、いろんなことに積極的にチャレンジしていくようなスタンスの方に来て欲しいです。
 
 ということで、当事務所に興味をもっていただいた方については、御連絡をお待ちしています。

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2017年2月13日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:仕事

オカムラのコンテッサチェア

 先日注文したオカムラのオフィスチェア「コンテッサ」が届きました。ということで、今日は、その座り心地等について
お伝えしたいと思います。

 もともと、私は、腰痛もちでして、琥珀法律事務所を開業する際に、どのオフィスチェアにしようかといろいろ悩んでました。で、そのときに購入したのは、ITOKI(イトーキ)のスピーナチェアだったんですが、事務所拡大に伴う席替えの際に、いつの間にか私の椅子がお安めのオフィスチェアに変更になっており、イソ弁がスピーナチェアに座っていたわけです。で、スピーナチェアを戻せ!ということもできたんですが、2,3年スピーナチェアを利用した感想として、①座面のクッションがちょっと薄めで長時間座っているとお尻がつらい、②背面が樹脂とゴムの中間的素材「エラストマー」タイプだったため、もたれて寝ようとすると厳しい(そもそも寝るなという話ですけども。)、ということで交換請求をあきらめ(笑)、アスクルで購入したお安めのチェアを利用していました。

 しかし、なんとなくしっくりこないという思いがあり、今回、思いきってオカムラのコンテッサ購入に至りました。コンテッサはアーロンチェアとよく比較されていますが、私はヘッドレスト付きでないといやなので(アーロンチェアにはヘッドレスト付きのモデルがないのです。)、ヘッドレスト付きのコンテッサに決定しました。

 まだ届いたばかりで少ししか使用していないのですが、座り心地は良好ですし、背もたれもしっかりしていてかなりよいですね。人によって椅子の好みはわかれると思いますが、個人的には、スピーナチェアよりもコンテッサの方が好みですね。これから愛用していきたいと思います。お値段は高めなんですが、末永く使えるのでいいかなと。
 

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2017年2月10日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:日記

立ちションで軽犯罪法違反?

 久々に法律問題について書いてみたいと思います。

 今日もなんだかんだで仕事したなーと思って、一息つこうとしてネットニュースを見たら、興味深い記事が目にとまりました。

 テナントビルの駐輪場で立ちションした行為について軽犯罪法違反に問われた事案について、第一審は無罪としたものの、控訴審の大阪高裁は有罪(科料9900円)判決を下したとのことでした。
 詳しい事実関係を把握していないので明言しにくいのですが、あえて人の目につくような方法・場所で堂々と立ちションしていた場合には公然わいせつ罪(刑法174条)の適用も問題になるところ、上記事案は駐輪場でこっそりとやっていたので、軽犯罪法の適用のみ問題になったのかなと推測しています。

 女性の立ちションは考え難いので(ですよね?)、今回はもっぱら男性に向けての話になります。酔っ払ってトイレに行きたくなったけど、近くにトイレがないので、お酒の勢いもあって立ちションしたという男性は実はけっこういるのではないでしょうか(社会人になると「恥ずかしい」、「みっともない」という至極もっともな感情により、シラフで立ちションする人は少ないと思います。)

 で、ここから本題ですが、上記の事件で問題となっている軽犯罪法は合計で4条しかない法律ですが、その第1条において、「拘留又は科料」の対象となる犯罪について1号から34号まで規定しています。よくよく条文を読んでみると、いろんな行為がけっこう細かく規定されていることに驚きます。
 (話が少し脱線しますが、「科料」とは「1000円以上1万円未満の金銭を強制的に徴収する財産刑」です。「罰金」も同様の財産刑ですが「1万円以上」という点で「科料」と異なります。また、「拘留」とは「1日以上30日未満の間、刑事施設に拘置する自由刑」です。)

 例えば、「生計の途がないのに、働く能力がありながら職業に就く意思を有せず、且つ、一定の住居を持たない者で諸方をうろついたもの」(第1条4号)、「公共の会堂、劇場、飲食店、ダンスホールその他公共の娯楽場において、入場者に対して、又は汽車、電車、乗合自動車、船舶、飛行機その他公共の乗物の中で乗客に対して著しく粗野又は乱暴な言動で迷惑をかけた者」(第1条5号)、「公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者」(第1条20号)も軽犯罪法違反となって拘留又は科料に処される可能性があるわけですね。最後の行為については、「しり」を露出させることはさておき、「もも」の露出も駄目なのか?と思ったりします。とはいっても、「公衆にけん悪の情を催させるような仕方」での露出に限定されていますので(一体どういう仕方なのか気になりますね)、処罰の対象になる露出は相当限定されるわけでして、日常で行動する際にそんなに気にする必要はないでしょう。

 さて、立ちションについてですが、第1条26号は「街路又は公園その他公衆の集合する場所で、たんつばを吐き、又は大小便をし、若しくはこれをさせた者」と規定しており、上記事案はまさにこの条文の適用が問題になったようです。
 立ちションした場所がテナントビルの駐輪場だったとのことですが、その駐輪場が「公衆の集合する場所」にあたるかどうかが問題になったところ、第一審も控訴審も駐輪場の狭さ等から「公衆の集合する場所にあたらない」と判断したようです。
 そうすると、無罪という結論になりそうなのですが、控訴審は「(今回の裁判で問題となっている)駐輪場は歩道に面していて段差もないので『街路』にあたる」と結論づけ、有罪という判決に至ったようです。

 いずれにせよ、立ちションは当然として、たんつばを吐く行為も軽犯罪法に触れる可能性があるということを覚えておいた方がよいと思います。
 また、軽犯罪法の第3条は「第1条の罪を教唆し、又は幇助した者は、正犯に準ずる。」と規定しており、例えば、他人に街路・公園等の場所で立ちションするように唆したり、その立ちションを手助けすることも処罰の対象になりうることを知っておくべきですね(そんなことする人はレアだと思いますが)。

 ちなみに、軽犯罪法違反で逮捕されたという話を私はあまり聞いたことがありません。おそらく、軽犯罪法第4条が「この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。」と規定しているためだと思います。

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2017年2月8日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:法律学

こだわりの小物アレコレ

 以前にも似たような記事を書いた記憶があるのですが、今日、名刺入れを購入したのをきっかけに、タイトルの通り、小物について書こうと思います。

 弁護士に限られるわけではなく、会社員全体にあてはまるのでは?という疑問があるものの、そこはさておいて、
私の主観でこだわりについて述べたいと思います。

 うまくいえないのですが、その職種特有のこだわりってありますよね?例えば、お医者さんなら白衣は◯◯製、聴診器は◯◯製、料理人なら包丁は◯◯製、バイク便のライダーならバイクは◯◯みたいな。

 で、弁護士はというと、六法は◯◯製…と言いたいところですが、毎年又は2,3年で買い替える六法についてさほどのこだわりはないと思います(そもそも、六法を売り出している出版社が極めて限定的なんです。)あるとすれば、三省堂の模範六法か有斐閣の判例六法で悩むくらいでしょうか(私は二分冊になっている有斐閣の判例六法派ですけども)。

 で、弁護士がこだわる小物といえば、商売道具であるボールペンや万年筆が筆頭にあげられるのではないでしょうか。法廷で、相手方となる先生方のボールペンをよくよく観察してみるとモンブラン製のものが圧倒的に多いように感じます。
(最近は、iPadとか利用している先生方もけっこういて、そういう方は紙媒体ではなくiPadにメモしていたりされてますが。)
 私も一時的にボールペンにははまっていて、モンブランだけでなく、クロス、デュポン、カルティエ、モンテグラッパといった様々なものを購入してました。で、気づくわけですね、こんなに買っても、そんなに使わないぞという事実に(笑)。
 ちなみに、最近気に入ってよく利用しているのはクロスのピアレス125(ブラックラッカー)というボールペンです。私は持ち手が太いボールペンが好きなんですが、ピアレス125のブラックラッカーのよいところは、太めでそれなりに高級感があるもののお値段は3万円弱とそこそこリーズナブル(ずっと使うと思えば、3万円というお値段は安いかなと思います。)、モンブラン愛用者が多い中でクロス愛用者は少なく他人とかぶりにくい、というところでしょうか。

 で、他に弁護士がこだわる物ってなんだろうと考えたときに、ありえるのはやはり、スーツ、時計、名刺入れ、財布(これって上述した通り、弁護士に限られないですね。)、そして、職印くらいでしょう。職印は弁護士にとって必要不可欠なものでして、こだわる人はチタンや象牙、水牛で職印作ってるんじゃないかなと想像したりします。とはいっても、職印にこだわっている先生を見たことはなく、私も私がこれまで出会った先生方もすべからく、木製(多分、柘だと思います。)の職印ですが。私は、職印について、以前に、いいものが欲しいと思ったことがありますが、今は全く興味がなくなりました。

 そして、ようやく本題ですが、実は今日、名刺入れを購入しました。これもネットで検索したら、いろんな種類のものが出てくるわけでして、オーソドックスな革製のものから木製のものまで、色や柄も様々ありますね。
 そんな中で、私がこだわるのは、収納枚数ですね。いつの間にか名刺をきらしていて、訪問先にて名刺を渡せないという事態はけっこう恥ずかしい(何度かその経験があります。)。で、収納枚数を最重要視しながらも、お洒落で他人とかぶらなさそう、丈夫で長持ちしそうという観点から、以前にエアロコンセプト(http://www.aeroconcept.co.jp/)の名刺入れを購入して使ってました。
 エアロコンセプトは、知る人ぞ知るややマニアックなメーカーですが、ジェラルミンを利用していろいろなものを作っています。軽くて丈夫なジェラルミン、その上でたくさん収納できる、ということで、ここの名刺入れは本当によいものでした。
 しかし、数か月前にその名刺入れを紛失。いつか出てくると思って気長に待ってたのですが、いっこうに見つかりませんでした。その間、代用としてクラフトワークプロダクツの名刺入れを使ってたのですが、収納枚数が少ないというのがどうにも不便でして…。
 その不便さ(といっても、適宜こまめに補充すればよいだけなんですけども。)に耐えきれず、本日、紛失したものと同じエアロコンセプトの名刺入れを購入。紛失したものの色はカーキでしたが今度はブラックにしました(ジョラルミン製ですが、名刺入れの両面に革が貼ってあり、その革の色が選べる仕様になっています。)。
 今度こそ大切に何年も使いつづけたいと思います。

 今日はこのへんで。

 
 

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2017年2月1日 | コメント/トラックバック(0) |

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