尾てい骨に異変が…

 一昨日くらいから尾てい骨に違和感がありました。
でも、我慢できるくらいだったので、気にせずにおりましたが、時間が経つにつれて痛みが増してきており、今は、椅子に座ると辛いレベルにあります。

 おそらく、発症した理由として考えられるのは、日々のデスクワークに加えて、最近増えた大阪への出張、都内の警察署への接見で移動時間中に電車内で長時間座っているからだと思います。
 ネットで「尾てい骨 痛み」で検索するといろいろとサイトが出てきますが(尾てい骨の痛みに悩まされている方はけっこう多いんでしょうかね。)、尾てい骨のズレ、筋肉の異常なんかが原因らしく、本当に困っています。
 弁護士業って、起案も打ち合わせも接見も期日での行動も座ってやるものですから。

尾てい骨痛で悩んでいる同業者がけっこういてもおかしくないと思いますけど、どうなんでしょう?特に、裁判官は弁護士、検察官よりも座っている時間が長いはずで、尾てい骨痛で悩んでいる人がたくさんいそうな気がするんですが…。

 今のところ、座っているときには前傾姿勢をとることで尾てい骨への負担を軽減し、なんとかしのいでおりますが、このまま痛みが続くようであれば、整形外科に行こうかなと思っています。
 もしかしたら、長期休暇をとらざるを得なくなるのではと戦々恐々としていますが、前向きに頑張ります。

 

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2016年5月20日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:日記

平成28年度司法試験

 ちょっとしたニュースで見たのですが、今日が司法試験の最終日だったようです。
 今年の司法試験は出願者数が7730人、受験者予定者数が7644人ということだったらしく、去年(出願者数が9072人、受験者数8016人)とくらべて随分減ったなという印象があります。
 仮に、実受験者数が7000人、合格者数が1800人と仮定すると、合格率は25.7%ということになりますね。法科大学院入学者数が毎年減少し続けているので仕方ないのかもしれませんが、法曹界を志望する人が年々減っていくのはやはり悲しいものがあります。

 以前にもブログで言及したと思いますが、まずは、司法修習期間中は貸与制ではなく給費制に戻すのが大事だと思います。

 さて、ここ数年の出題傾向はよく知らないのですが、某予備校の速報を見ると、憲法は、ざっくり言って「性犯罪者にGPSをつけて監視することを認める法令の違憲性を論じさせる」というものだったようです。
 これって、以前に話題になったアメリカのメーガン法(性犯罪者の情報を公開する法)(ウィキペディアだと「ミーガン法」となっていますが、どっちが正確なんでしょうね。)と似ていますね。確か、旧司法試験(もしかしたら、どこかのロースクールの入学試験かも?)でメーガン法を題材にした似たような問題が出題されていたと思いますが、けっこう書きやすい問題だったのではと思います。

 本問で外していけないのは、性犯罪者のプライバシー権でしょう。憲法13条からプライバシー権を導き出し、違憲審査基準を定立して論じることが必要で、これを外すと(プライバシー権に一切触れないと)、合格点には到底届かないような気がします。多くの受験生が気づいて論じる点はしっかり論じるべきというのが鉄則でしょう。ほかにも何らかの人権が問題となりそうですが、すぐに頭に思い浮かばないので(笑)、あえて触れません。

 行政法は、全く自信がないので、一切触れません(笑)。

 ということで、民事系、刑事系でどんな問題が出題されたのかも気になりますが、今日はこのへんで。

 

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2016年5月15日 | コメント/トラックバック(0) |

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賭博罪について

 最近、スポーツ界の選手が賭博をやっていたことが問題となっていますね。
ということで、今日は、賭博罪について記事を書きたいと思います。
 
 これまで刑事弁護をやってきた中で、覚せい剤取締法違反、大麻取締法違反といった薬物事案、迷惑防止条例違反・強制わいせつ等のわいせつ事案、窃盗、詐欺、横領(占有離脱物横領含む)などの財産犯事案、暴行・傷害・脅迫・恐喝といった粗暴犯の事案はよく担当しましたが、賭博罪の事案は、実は1件しか担当したことがありません。

 賭博罪で逮捕されるというのは珍しいという印象です。おそらく、立件するのが難しい上に、その必要性も低いからではないか(詳しくは下記で説明しますが、単純賭博の法定刑は「50万円以下の罰金又は科料」で軽いといえます。)と勝手に思っているんですけど、実際はどうなんでしょうね。

 賭博罪については、刑法185条と186条が規定しています。
185条は、「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りではない。」と定め、186条は、第1項で「常習として賭博をした者は、3年以下の懲役に処する。」、第2項で「賭博場を開帳し、又は博徒を結合して利益を図った者は、3月以上5年以下の懲役に処する。」と定めています。

 そもそも、賭博を罰する必要があるのかという根本的な疑問を有する方がいらっしゃると思いますが(自分の財産を自由に使ってよいはずで、当事者が納得しているなら賭け事も問題ないという考えですね。)、賭博罪の保護法益は「国民一般の健全な勤労観念、国民経済」という公益だと解するのが判例・多数説で、そうなると、賭博を行う個人の意思がどうであれ、罰せられるというわけです。
 もう少し丁寧に説明すると、「偶然の事情によって財物を得ようとして争うことは、怠惰浪費の風潮を生じさせ、勤労の美風を害する」という理屈づけです。でも、これには、本当にそう言い切れるのかという疑問があり、上記のような異論が出されてもおかしくなく、数年~数十年後には、賭博罪の規定が改正、廃止される可能性がなきにしもあらずと思っています。

 で、ここからは、上記の条文について(一般市民の方が関わりそうな単純賭博罪について)解説していきます。
まず、「賭博」とは、いわゆる「賭け事」を指し、ちょっと丁寧に説明すると「偶然の事情に対して、財物をかけて勝敗を争うこと」という内容になります。
 野球賭博、サッカー賭博についていえば、野球やサッカーの勝敗の結果は、賭博の当事者が左右し得ない偶然の事情によりますよね。だから、「賭博」にあたります。

 では、賭け麻雀はどうか?というと、これも賭博にあたると一般的に解されています。麻雀は、当事者の技量によって勝敗が決する側面があるものの、それだけではなく、偶然が介入する余地があるからです。
 う~ん、怖いですね(笑)。ということで、麻雀やるのは自由ですが、賭け麻雀は控えましょうということになります。
(実際には、お金を賭けずに麻雀やっている人はむしろ超少数といえるんでしょうが、これは、国もわかっているので、麻雀店で賭け麻雀やってても、滅多に検挙されないんじゃないか(いわゆる「お目こぼし」というやつです。)と思っています。)。

 次に、185条は「一時の娯楽に供する物を賭けた場合」には罰しない旨定めていますが、この「一時の娯楽に供する物」とは何を指すかと問われると、即答できる人は少ないのではないかと思います。
 「一時の娯楽に供する物」にあたるかどうかは、財物の僅少性と費消の即時性という2つの要素を考慮して判断される傾向にあります。
 例えば、安いスナック菓子なんかは「一時の娯楽に供する物」にあたると言われています。

 では、少額のお金は「一時の娯楽に供する物」にあたるのか?と問われると、ここは、学者の間で見解が分かれているようです。裁判例は、「お金は、その性質上、一時の娯楽に供する物に当たらない」と捉える傾向にあるようですが、学者さんの多くは、理由付けはどうあれ、単純賭博罪の成立を否定するようです。

 最近よくある、飲み代を賭けた男気じゃんけん(買った人がみんなの飲み代を払うというもの)についてはどうでしょうか?「じゃんけん」という勝敗結果に偶然が介入する事情に、お金を賭けているわけですけども、そのお金は、その場の飲食代金に充当されることが明確に予定されていて、実質的には「どこかのお店で買ってきた飲食物を賭けた場合」と同様に捉えられるので、「一時の娯楽に供する物」といえるのではないでしょうか。結論的にもこのように解するのが妥当と思いますが、私の勝手な意見にすぎませんので、あしからず。

 最後に、185条の単純賭博と比較して、186条の法定刑は重くなっています。特に、186条2項の賭博場開帳等図利罪は、賭博行為を助長するからという理由で、一気に法定刑が重くなっていますね。
 闇カジノ店、闇スロット店などを主宰(開設)していると、186条2項に該当すると思われます。闇カジノや闇スロット店は、六本木や新宿といった繁華街に存在すると言われていますが、善良な市民の皆様は立ち入らないようにするのが賢明でしょうね。

 ちょっと長くなったので、今日はこのへんで。



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2016年5月1日 | コメント/トラックバック(0) |

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