「絞首刑」を読みました。

 最近、講談社から発売されたばかりの青木理さん著「絞首刑」(講談社文庫)を買って読みました。

 死刑制度についてはその存続・廃止をめぐって激しい議論が昔から続いていますが、上記書籍はその点についての意見を表明するものではなく、死刑判決が下った事件をいくつか取り上げ、死刑囚との対話(面会)を通じて得た人物像等を具体的に描いています。その上で、同人物には「本当に更生の可能性がないのか」という点について疑問を投げかけています。
 著者は、フライデーに死刑囚の写真(拘置所でこっそりと撮影したもの)を掲載して話題になった方でして、何故そのような掲載に踏み切ったのか、何を伝えたかったのかという点について上記書籍では明らかにされています。
 拘置所の運用に反して写真撮影したこと、同写真を週刊誌に掲載したことの是非はさておいて、死刑囚との面会、手紙のやりとり等は厳格に制限されているわけですが、この点について著者の視点がはっきりと明示されており、現制度、現運用の問題点を知ることができる点で、上記書籍は有益だと思います。

 被害者遺族の心情や死刑制度の犯罪抑止効果(実際に抑止力があるかどうかは証明されていませんが。)を思うと安易に死刑の廃止を唱えるわけにはいきませんが、いくつもの冤罪が発生している現況に鑑みると、誤って死刑執行した場合には取り返しがつかないわけですから、個人的には死刑制度の維持が本当によいのか、疑問を感じています。死刑制度を維持するのであれば、少なくとも、冤罪を防ぐための制度(例えば、取調べの全面可視化)を導入する等して、冤罪発生のリスクを最小限にすることが必要なのではと思っています。


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2012年11月19日 | コメント/トラックバック(0) |

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平成24年度 予備試験 合格者数発表

 本日、予備試験の合格者数が発表されたみたいです(該当新聞記事:→司法予備試験の合格者倍増、法科大学院避け近道 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞))。合格者数は219人、昨年は116人でしたのでほぼ倍増したことになります。
今年の合格者の内訳ですが、ロースクール生が61人、現役大学生が69人とのことで、最年少は19歳。

 上記結果をみると、今後、ロースクールには行かずに予備試験を目指す学生はますます増えていきそうですね。大学生は予備試験とロースクール受験の2つを視野に入れて勉強し、ロースクールに入学した後も予備試験を受け続けるのが一般化するのではないでしょうか。

 そうなると、気になるのが来年度の司法試験の合格者数と予備試験ルートの受験生の合格率です。予備試験合格者数は増えたものの、合格率はどの法科大学院よりも高くなる気がします。大手の法律事務所は、積極的に若手の優秀な予備試験組を採用するようになると思います。
 これ以上、予備試験の合格者が増えると、法科大学院志望者が減少し、破綻する法科大学院はますます増えるのは間違いないですね。今後、予備試験合格者数は増えていくのか現状維持なのかが気になるところです。

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2012年11月9日 | コメント/トラックバック(0) |

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忙しそうに見える?

 先日、裁判所の地下1階において接見した際に、偶然、知り合いの先生にお会いしました。同先生から「ブログ見てるよ。」と言っていただいて嬉しかったんですが、「いつも忙しくて疲れてる様子だね。」と言われました。

 自分ではそうでもないと思っているんですが、ブログの記事を見直してみると、確かに「いつも忙しそうに働いている」ように見えますね(笑)。
 実際には、忙しいときとそうでもないときがあるわけでして、他の弁護士の先生方と異なるところはありません(裁判員裁判があった週は本当に忙しかったんですけど)。ただ、刑事事件をよく受任しており、いろいろな警察署をまわっていて接見に割く時間(移動時間含む)が多いので忙しそうに見えるのかなと。あとは、事務所で一人で夜中に起案しているときに、気分転換にブログを更新することが多いので、更新時間が深夜になり、仕事ばっかりしているように見えるのかもしれません。

 で、実際はどうなのかといいますと、週に1回くらいの頻度で、麻布十番にあるBar「Hiddn Lounge」さんに行っていますし、接見終了後に見慣れぬ街を散歩したり、移動時間を利用して爆睡したりしていますので、まだまだ余裕はあります。

 プライベートのこともこのブログでもっと書きたいところですが、公開できるような中身のあるプライベート生活を送っていないんです(笑)休日は、接見に行くか寝てるか、飲んでるかのいずれかですし。「今日は一日家でゴロゴロして、ほとんど寝てました。」とか「今日は夜からどこどこで飲んでました。けっこう酔ってしまいました。」といった具合に一行で一日を記せてしまいます。

 ということで、仕事の話題や本の話題、パソコン新製品の話題以外にもっと中身のある面白いことを書けないか、今後試行錯誤してみます。

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2012年11月8日 | コメント/トラックバック(0) |

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続・暴力団

 最近、刑事事件の接見で1日中動き回っています。必然的に移動時間が長くなるのですが、駅構内の書店で見つけた溝口敦さん著「続・暴力団」(新潮社)が気になり、購入して一気読みしました。

 暴力団の構成員数は年々減少しているようですが、全国の都道府県で実施された暴力団排除条例は、暴力団と交際した企業の社名を公表する等の措置が定められており、企業等との関係を断たれるという点において暴力団にとって非常に厳しい内容となっています。社名公表された企業は、銀行等から新たな融資を受けられなくなり、取引先の企業から取引中止を言い渡されることもあるようですから、企業は暴力団との付き合いを控えるようになるわけです。これは、健全な社会の実現に資するという意味では非常に有意義とも思えるのですが、そうなると暴力団構成員(特に、末端の構成員)は生活できなくなりますから、その構成員(又は元構成員)の受け入れや就職支援等を検討することが必要ではないかと思います。この点を放置しておくと、マフィア化や暴力団ではない半グレ集団化が進行するだけでしょう。

 上記の書籍では、暴力団の取材を長年続けてきた著者ならではの鋭い分析がなされており、なかなか興味深いと思います。文体もわかりやすく、一気に読めます。

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2012年10月18日 | コメント/トラックバック(0) |

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京都に行ってまいりました。

 先週の土曜日は、刑事事件の接見で三重県に行ってきました。接見後にそのまま東京に戻ってもよかったんですが、翌日の日曜日は予定が入っていませんでしたので、思い切って京都に行ってみました。京都には今年の4月か5月に某大学においてガイダンスを実施するために戻ったことがあるだけでしたので、半年ぶりということになります。

 京都に着いて、四条木屋町周辺で中学校時代の同級生と飲んだんですが、遅くまで飲んでいたので翌日に観光する気力が起きず、日曜日はお墓参りをして別の友人と会った後で東京に戻りました。京都出身の私が言うのもなんですが、周囲が関西弁ばかりの環境は新鮮でした。それから、総じて飲食店の値段は東京に比べて安めだと感じました(私が入った店が安かっただけなのかもしれませんが)。
 お墓参りの前に三条と四条間の鴨川沿いを散歩しましたが、鴨川は京都のシンボルですね。繁華街のすぐそばに川が流れており、その川の両側を歩けるようになっているので、デートするには最適な環境だと思います。実際に、鴨川等間隔の法則なるもの(鴨川沿いに男女のカップルが等間隔で座る法則)も存在するとかしないとか…。
 東京にも、多摩川、隅田川といった大きな川が流れていますが、鴨川とは違うんですよ、雰囲気が。

 次は年末に京都に戻ろうと思っていますが(昨年も一昨年も戻れていないのです。)、それまでは仕事に集中したいと思います。

 

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2012年10月16日 | コメント/トラックバック(0) |

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久々に出かけます。

一昨日から今日まで三連休ですね。でも、連休初日は震災関連の法律相談、昨日は接見等の仕事があって残念ながらお休みできませんでした。


でも、最終日の今日は夜まで特定の予定は入っていませんので、久々にちょこっと出かけようと思います。今からネットで検索して行き先を決めようと思ってますが、東京近辺の観光スポットはだいたい行ったことがありますので、どこに行くのか悩みます。
行ったことがない場所で一番に思いつくのはスカイツリーか江ノ島です。どちらかに行くかもしれません。混んでなかったらいいな。

さて、久々に本を読みました。一冊は、増田明利さん著「今日、ホームレスになった」(彩図社)。もう一冊は誉田哲也さんの新刊「主よ、永遠の休息を」(実業之日本社)です。



前者は、普通の生活からホームレスになった数人の人生を簡潔にまとめて取り上げたノンフィクションでして、読んでいると少し暗い気持ちになりました。弁護士業界もこれから過当競争になりますから、もしかしたら自分も数年後にはホームレスになっているかも‥なんて思ったりします。そんなまさか‥と思われるかもしれませんが、ホームレスになった人の中には「自分はホームレスになるはずがない」と思っていた人が少なくありません。ふとした失敗やきっかけで生活は狂いますから、今がどんなに調子良くても他人事には思えないですね。
後者の誉田哲也さんの新刊は期待通りに面白いです。誉田さんの作品は毎回思わぬ結末が待っているので、面白くて一気に読んでしまいます。今回の作品は過去の少女殺人事件に絡めたものですが、主人公が刑事でゃなく記者であるという点が新鮮でした。





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2012年10月8日 | コメント/トラックバック(0) |

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65期修習生の内定事情

 そろそろ2回試験(司法研修所卒業試験)を意識する時期になってきました。今頃、修習生は同試験に向けて必死で勉強していることと思います。
2回試験の話になると、いつも自分のことを思い出します。2回試験では1科目でも落第点をとると不合格となり、1年後の2回試験を受けることになりますから、経済的な負担が大きく、修習生にとっては是が非でも合格しなければならない試験です。私の場合は、民事裁判の試験で大失敗しまして、合格発表まで生きた心地がしませんでした。今思い出してもゾッとします。
 私のときには数年前から二回試験に受験回数制限が導入されましたので、3回しか受けれなくなりました(この点は、司法試験と同じですね。)。また、2回試験の合格率は90%以上なんですが、だからこそ絶対に落ちるわけにはいかないんです。ですので、修習生にかかるプレッシャーは司法試験以上だと思います。

 で、本題ですが、昨年は12月の時点での弁護士未登録者数が約400人いたと話題になりました。就職状況は年々厳しくなって行っていることは明らかでして、今年はどうなるのか心配ですが、最近会った友人の弁護士から気になる話をききました。同弁護士は、65期の修習生と最近会って話をする機会があったようですが、そのときに、今年は12月の弁護士未登録者数は800人くらいになりそうと聞いたようです。事務所によっては翌年1月に登録するところもありますし、企業内弁護士であれば登録しなかったりします。また、上記800人の中に、裁判官・検察官の任官予定者が含まれているかどうかも確認できません。
 ですので、実際に何人が就職先未定になるのかは正確には不明ですが、仮に1月以降の登録者数が100人、任官予定者が150人と仮定しても550人が就職先未定となりますので、いずれにせよ修習生のおかれた就職状況は非常に厳しいものだと思います。
 就職先未定の修習生は、2回試験直前の今になっても就職活動を継続しなければならないわけで、本当にしんどい思いをしていると思いますが、このような状況を「仕方ない」という一言で片づけるには抵抗を感じます。上記の未登録予定者数を約500人とするならば、修習生の4人に1人(合格者数は約2000人ですので。)が就職先未定ということになるわけでして、ちょっと異常な事態だと思います。

 今年の合格者については、昨年より約100人多い2100人ですから、これまでで最も就職状況は厳しくなることが予想されます。合格者の方は、今からでも情報を収集して、人脈を広げて、就職活動した方がいいのは間違いないでしょう。

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2012年10月4日 | コメント/トラックバック(0) |

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ThinkPadのウルトラブック「X1 Carbon(カーボン)」が届きました。

8月末に注文したシンクパッドのウルトラブック「X1 Carbon」が昨日届きました。
シンクパッドらしく堅固性は高そうですし、ちょっと触ってみた感じではキータッチも良好だと思います。ウルトラブックにしては、キータッチはしっかりしています。

個人的には、X1のゴリラガラスが綺麗でお気に入りなんですが、ゴリラガラスは重いのでX1 Carbonでは廃止されています。
X1よりも実際に数百グラム軽くなったわけでして軽さ重視のウルトラブックなら仕方がないですね。

今後、携帯性が重視され、ウルトラブックはますます流行っていくと思いますが、堅固性と良好なキータッチ、急速充電機能をもったX1 Carbonはかなりおススメです。ウルトラブックといえば、アップルのMacbook Air(マックブックエアー)が大人気ですが、Windowsパソコンがいいという人にはX1 Carbonがイチオシですよ。画面も14インチで見やすいですし。欲をいえば、もう少し軽くなるといいんですけどね。

もっとも、今回買ったPCは事務員さん用でして、私は従来通り、ThinkPadのX220をもうしばらく使っていく予定です。私は、Macbook AirがRetinaディスプレイになったら買おうと思っています。




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2012年10月3日 | コメント/トラックバック(0) |

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となりの闇社会

 気がついたら9月になっていましたが、まだまだ暑い日が続いていますね。札幌にいる友人の弁護士が羨ましいかぎりです。

 さて、最近、一橋文哉さん著「となりの闇社会」(PHP新書)を買って読みました。ジブリの「となりのトトロ」をパロッたのでは?と思われる書名に惹かれて購入してしまいましたが(笑)、中身はいたって真面目なものとなっています。同書では、反社会的勢力が現状、どのように利益をあげているかを詳細に描いています。中でも詐欺集団のよる詐欺がどれほど巧妙かについて具体的に書かれており、実際に刑事事件で詐欺事件を数件担当したことのある私は非常に納得がいきました。今後、高齢化社会を迎えるにあたって高齢者の方を対象としたリフォーム詐欺や投資詐欺等が増加していく可能性は十分にあると思われ、周知徹底して注意を喚起しないといけないですね。
 ほかには、AIJ投資顧問株式会社による企業年金資産消失事件についても書かれてありまして、なかなか面白いと思います。


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2012年9月24日 | コメント/トラックバック(0) |

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iPhone5が発表されました。

昨日の深夜2時くらいからApple社の恒例のイベントがあり、待ちに待ったiPhone5が発表されましたね。
驚くような進化ではないものの、重さや薄さ、待ち受け時間等は着実に向上し、正当な進化でしょう。LTE対応ですから、今後、着実に使用者数が増えていくものと思います。

なお、auから発売されるモデルはテザリング機能付きという噂が‥。これ1台でパソコンをどこでもネットに接続できるんですから大いに魅力的ですね。私はauのギャラクシーSIIを使ってますが、テザリング機能のおかげで、移動中でも快適に仕事できてます。
仕事やプライベートでの利用に備えて、現在、au、ソフトバンク、ウィルコムの3つの携帯電話を使っていて、今度買うならドコモにしようと思ってましたが、まさかのau2台持ちになるかもしれません。4台あれば、移動中の電池切れに悩まされることもなくなりますしね。




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2012年9月14日 | コメント/トラックバック(0) |

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