弁護士のセカンドオピニオン。

昨日は、東京地裁立川支部に係属していた刑事事件が終了しました。立川支部係属の事件を複数担当していますが、移動時間が結構かかります。加えて、電車が混んでる時間帯はまともに本も読めないのが悲しい‥。というわけで、移動時間を有効活用する為に、昨日は行きも帰りも特急列車を利用しました。通常の乗車券プラス特急券500円で自由席に乗れるので、お手軽に利用できます。タイミングよく中央特快に乗れるなら、新宿⇨中野⇨三鷹⇨国分寺⇨立川と30分程度で着けますのであえて特急を利用しなくてもいいんですが、各駅停車、快速は遅く感じますので、今後は500円余分にかかっても特急を利用しようと思います。その分、電車内でパソコン使って快適に仕事できるならいいかなと思います。

さて、最近、たまに「既に弁護士さんに依頼してるんですけど‥」っていう感じで、セカンドオピニオンを求める相談をよく受けます。理由を聞くと、依頼している弁護士が言い分通りの書面(訴状、準備書面等)を書いてくれない、何もやってくれない、何をやってくれているのか(ちゃんと動いてくれているのか)分からないといった内容が多いですね。要するに、今依頼している弁護士に対してある種の不信感が芽生えている状態です。そして、相談してくる方の多くが、途中から事件を引き継いでやって欲しい(既に依頼している弁護士を解任したい)と言われます。
こういうときには、私は、まずは今依頼している弁護士に不安に思っていることを遠慮せずに訴えて、話をする機会(説明を受ける機会)を持つことを勧めることが多いです(緊急に対応が必要な案件の場合は別です)。弁護士が依頼者の言い分通りに書面を書かない場合には、その請求、主張が法的に成り立たない、認められる可能性が極めて低い、というようになんらかの理由がある場合が少なくありません。ただ、そのことを依頼者に十分説明していないために不信感が募り始めてるんじゃないかと。いわゆる説明不足、報告不足です。途中から弁護士をかえると着手金が新たに必要になりますし(前の弁護士を解任した場合、事件の進行度合いにもよりますが、着手金が全額返還されることは少ないでしょう。要は、費用が余計にかかることになります。)、弁護士をかえたからといって必ずしも訴訟の帰趨が変わるわけでもありませんので(事案によりけりです)、前の弁護士との信頼関係を回復することが依頼者にとって経済的負担が少ないという点で望ましい解決方法だと思います。(ただし、もはや回復不可能な程度に信頼関係が破壊されている場合は別ですが‥。)弁護士に説明を求めたのに、対応してくれない、ちゃんと質問に答えてくれない等の不誠実な対応をされた場合には、弁護士の変更を検討すべきでしょう。

依頼者とのホウ・レン・ソウ(報告、連絡、相談)が最重要であることを再認識させられました。依頼者を不安にさせない様に、私も普段の対応に気をつけたいと思います。

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2012年6月8日 | コメント/トラックバック(0) |

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税務についても勉強しなくては。

 法律相談を受けていると、税金について質問されることが度々あります。例えば、和解で得た和解金について確定申告が必要か(もちろん必要です。)、申告する場合には何所得になるのか等。あと、相続税についての質問も多いですね。

 昨日は、税理士の先生とお話しする機会をいただきましたが、お話を伺った後、税務に関する相当程度の知識を身につけることの必要性を再認識しました。法律相談の際に税金を巡る諸問題について質問されたときに「その点は、税理士の先生に確認してください。」という回答をすると、依頼者は今度は税理士に相談しなければならなくなって二度手間ですから、依頼者の満足をより一層高めるためには、弁護士も相当程度の税務に関する知識を身につけないといけませんね。税法について勉強しなければと思いながらも、なかなか時間を確保できずにいましたが、今後はこまめに時間を有効活用して勉強したいと思います。まずは、三木義一先生著の「よくわかる税法入門ー税理士はるかのゼミナール」、「よくわかる法人税法入門」(いずれも有斐閣選書)あたりを読んで、税法の基礎を思い出したいと思います。どちらの本も、非常に読みやすく、税法をこれから勉強する学生さん(特に、司法試験で税法を選択予定のロースクール生)にはイチオシです。

 といっても、あまりに複雑な問題について質問された場合には明確に回答することは難しいので、外部の信頼できる税理士さんに相談することになるでしょう。知ったかぶりをして回答することは危険ですし、依頼者にとっても利益となりませんので。

 さて、これから自宅に戻ってひと眠りする予定ですが、刑事事件の共犯者の弁護人の先生方との打ち合わせが午前中にありますので、遅れないように気をつけたいと思います。

 

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2012年6月6日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:仕事

退職勧奨が増えているようです。

 最近、退職勧奨についての法律相談をよく受けます。4月入社の方ですと、6月末をもって3か月の試用期間を経過するわけでして、上司から「能力が足りない。」、「会社にあわない。」といった理由で退職勧奨される方がちらほら見受けられます。

 「こういうときにどうすればいいですか?」という相談が多いのですが、退職を迫られた場合、その場で即断せずにじっくり検討することが必要だと思います。こんなご時世ですから、退職してもすぐに次の仕事に就ける可能性は高くはないでしょうし、一生の経歴に関わることですから。上司が「すぐに退職届を出せ。」とか「(合意退職の)書面にサインしろ」と迫るのは、そうすることが会社にとって都合がいいからなんですね。「今、退職すれば解雇しない。」とか脅される方もよくいますが、解雇して困るのは会社の方でしょう。日本では、解雇が有効と判断されることは多くありませんので(試用期間中の解雇であっても、容易には認められません。試用期間中の解雇は、試用期間経過後の普通解雇に比べた場合に認められやすいといえるにとどまります。)、会社にとっては労働者から解雇無効を主張されて争われるリスクを回避するためにも退職してもらった方がありがたいわけですね。それから、何らかの書面にサインすることを求められた場合にも、すぐにサインせず、一度自宅に持ち帰ってじっくり検討した方がいいと思います。その書面に清算条項(債権債務関係が一切なしとするもの)なんかがこっそり記載されていた場合、あとから未払い割増賃金(いわゆる未払い残業代)なんかを請求することも難しくなります。

 「今日限りで来なくてよい。」等と言われる方もいますが、そういう場合にはすぐに弁護士や労働基準監督署等に相談するとよいでしょう。自分だけで即断即決しないことが重要だと思います。

 話は変わりますが、最近、万城目学さん著「鹿男あをによし」(幻冬舎文庫)を移動時間の合間と就寝前の時間を利用して読みました。けっこう前に発売された本ですが、買ったはいいもののしばらくの間、本棚で眠っていたものです。読んだ感想は、「プリンセストヨトミ」と同じ感じで、万城目ワールド全開といった感じですかね(笑)。奈良を舞台にしたフィクションですが、内容はよく練られていて面白かったです。



 さて、今日は、いわき市で出張法律相談がありますので、朝からスーパーひたち7号に乗っていわき駅に向かってます。車両が新しく、快適です。東京に戻ったら、湾岸警察署へ接見に行く予定です。まだまだ先は長いですが、一日頑張ります。



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2012年6月3日 | コメント/トラックバック(0) |

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同種前科のある被告人の刑事弁護

昨日から事務所に残って弁論要旨の起案をしていました。

少しでも被告人に有利な事情を盛り込んで、量刑が軽くなるようにと思って起案しましたが、同種前科が複数ある場合、説得的な弁論要旨を作成することは容易ではありません。
同じ犯罪を何度も繰り返していると、裁判所に「被告人の規範意識は鈍磨している」、「社会復帰後も犯罪を繰り返す可能性が高い」等と判断されがちですので、裁判所に対して、従前とは異なり、今度こそ大丈夫と思わせることが必要になります。真に実効的な再犯防止策というものは簡単に思いつくようなものではなく(答えの見つからない問題といっても過言ではないです。)、被告人と面会を重ねてどれだけ分析、検討したかが重要だと思います。被告人質問事項についても、このことを説得的にアピールするという観点から組み立てる必要がありますね。
ちょっと時間がかかり過ぎた感がありますが、書き終えた今はすっきりした気分です。

そういえば、夜が明けるのが日に日に早くなっていて夏が近づいていることを実感しますが、今年の夏は節電の必要性からいろいろと工夫して乗り切ることが必要になりそうですね。今年の夏は猛暑とならないことを願うばかりです。

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2012年5月29日 | コメント/トラックバック(0) |

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裁判員裁判対象事件をやることになりました。

またまた更新が滞ってしまいました。ありがたいことに民事、刑事ともにご依頼いただいていて、バランスよく?仕事しています。そういえば、被疑者段階から担当していた事件がそのまま起訴されて裁判員裁判になることが決まりました。
相当な負担がかかると思われますので、私一人でやらずに、知り合いの先生にお願いして一緒に担当する予定です。もうしばらくの間、忙しい状態が続きそうです。

そういえば、新司法試験も国家総合職の論文試験も終わったようですね。国家総合職試験の受験生は官庁訪問でもうしばらくは忙しいと思いますが、それが終れば、新司法試験受験生と同じくしばらくゆっくり休めるものと思います。今年で受験するのが最後の受験生は旅行するなり、遊びに行くなりして合格発表まで自由に過ごすといいでしょう。他にも公務員試験を併願していてこれから試験がある方は別ですが。今年の試験が不合格の場合に来年も受験する予定の方(司法試験受験生が主ですが)は、少し休んでから勉強を再開するのが望ましいわけですが、そう簡単には気分が乗らないでしょう(笑)。というわけで、私のオススメは司法試験にも修習にも役立つ勉強をすることですね。例えば、要件事実や刑訴、民訴、民事執行法、民事保全法とかですかね。これなら気分も少しは乗るんじゃないかと‥。ちなみに、私は要件事実で苦労しましたので、早めに要件事実の勉強に取りかかることを特に強くオススメします。

なにはともあれ、受験生の方はお疲れ様でした。



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2012年5月28日 | コメント/トラックバック(0) |

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東京拘置所での接見

昨日は、今日の午後からある公判の準備のために東京拘置所に行って接見してきました。拘置所の場合、警察署の留置施設に比べて、弁護士にとってはあんまり使い勝手はよくないですね。例えば、被告人からの宅下げは15時までに申し出が必要らしく(昨日、15時半に宅下げを申し入れたら断られました。悲しい‥)、接見時間も原則として17時まで。公判のある日の3日前(もしかしたら5日前だったかも?)なら予約していれば20時まで可能なんですが、警察署だと常識の範囲内であれば、こういう時間的な制約がなくて助かります。宅下げも貴重品を除けば、警察署は夜でも可能ですし。
こうしてみると、警察署での接見って弁護士にはありがたい。被告人(被疑者)にとっては、警察署の留置施設か東京拘置所のどちらが過ごしやすいかは不明ですけど。ある被告人の方はラジオが聞けるし、自分で雑誌、お菓子も購入できるので拘置所がいいと言ってました。他方で、別の被告人の方は、日中に座ってないといけない等の決まりがあって拘置所は厳しいので警察署がいいと言ってました。詳しくわかりませんが、甲乙つけがたいようです。

話がそれましたが日中は公判や法律相談、打ち合わせ等でまとまった時間をつくりにくいので、昨日拘置所に行った際に複数の被告人と接見してきました。その数合計4人。終わったときにはヘトヘトでした。そのおかげで、準備万端な感じです。東京拘置所では、最初に拘置所の1階で接見を申し込む際にあらかじめ複数人と接見希望である旨伝えれば、同じ接見室に被告人を続けて連れてきてもらえます。ただし、事前に各被告人ごとの接見時間を尋ねられますが。

あと、言い忘れましたが、拘置所では接見室が複数ありますので、警察署のように接見室の利用がかちあって待たされることが少ないのはいいところです。東京だと湾岸警察署や原宿警察署、新宿警察署等のように複数の接見室を備えている警察署がある一方で、接見室が1つしかない警察署もたくさんあります。昨日は拘置所での接見を終えたあとに、被疑者から接見要望が出ていた麻布警察署(接見室は1つ)にも接見に行きましたが、先に2人の弁護士が接見中若しくは接見待ちだったために、私も2時間半待ちました。さすがにこれはキツかった‥。

一昨日の徹夜の疲れを嫌すためにも、今から朝までがっつり寝ます。


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2012年5月23日 | コメント/トラックバック(0) |

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示談交渉のタイミング

 被害者のある犯罪(窃盗、詐欺、強姦、強制わいせつ、迷惑防止条例違反(いわゆる「痴漢」が多い))ですと、被疑者又はその親族に資力があり、かつ、罪を認めている場合には、被害者に示談を申し入れることが多いです。

 示談するにあたって、被害者が被疑者の知り合いでない限り、被害者の連絡先がわかりませんので、捜査担当の検察官に対して、被害者と示談したい旨申し伝えて、被害者の意向(弁護士と会うつもりがあるか、弁護士に連絡先を教えてよいか)を確認してもらい、検察官に連絡先を教えてもらうことになります。

 ここで、どのタイミングで示談交渉を申し入れるかということが実はけっこう難しい。起訴前に示談を成立させるのがよいので、できるだけ早く示談交渉を開始するのが原則ですが、例えば、被疑者が罪を認めていても犯行態様等の点で被害者の供述と一致していない場合には、すぐに示談交渉してもうまくいかないことが多々あります(被疑者の供述が被害者の供述と一致していない場合、被害者に「被疑者が真に反省していない。」と捉えられることがあります。)。こういう場合には、示談の仕方や時期について一定の配慮が必要となります。

 最近でも、被疑者と被害者の供述が不一致(ただし、被疑者は罪を認めている。)の事件について、被害者と連絡をとって示談交渉しましたが、うまくいきませんでした(被害弁償金も受け取ってもらえませんでしたが、最終的には被害弁償金を供託して処分保留釈放(不起訴の見込み)となりました。)。
 こういう事件では、供述に不一致がある原因(理由)を分析した上で被害者に説明して納得してもらえるかどうか(供述の不一致が直ちに「被疑者が反省していないこと」には結びつくものではないことをわかってもらえるかどうか)が重要になります。

 こうしてみると、示談交渉といっても一筋縄でいかないものだなと我ながら実感します。

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2012年5月21日 | コメント/トラックバック(0) |

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「猫弁」読みました。

先日、ブログで紹介した「司法占領」に続いて、弁護士が主役の物語「猫弁」(大山淳子著 講談社文庫)を読みました。TBSでドラマ化されて、現在放映中のようです。

こちらの本は、著者が弁護士ではないので、法曹関係者にとってはやや物足りない感じを受けるかもしれません。私は、弁護士業務を中心に取り上げた物語かな?と勝手に想像してましたが、中身は身代金請求事件に恋愛を絡めた感じ。意外な結末は面白かったですけど、読んでいて「そういうの、あるある」とは思えなかったです。弁護士の実態を捉えた物語ではないですね。猫より犬派の私は続刊として「犬弁」の発売を密かに期待しています。もちろん登場する犬は私が愛してやまないフレンチブルドッグで(笑)

さて、今週、来週と忙しさがピークを迎えそうです。今週は2日続けて自宅に戻れませんでしたが、担当していた被疑事件2つ(詐欺と暴行)が両方とも処分保留釈放となり、起訴、略式起訴を免れましたのでよかったです。実は、3日前は夜に始まった示談交渉が長引いて自宅から遠く離れた町で終電を逃し、帰宅できなかったわけですが、勾留満期直前で示談が成立して処分保留釈放につながったことを思うと不思議と疲れを感じないです。
このまま来週も頑張ります。


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2012年5月19日 | コメント/トラックバック(0) |

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気がかりだった事件

 本日、担当しているある刑事事件の判決がありました。検察側の求刑が3年6か月というものでしたので、もしかしたら実刑になるかもと心配しながら日々過ごしてましたが、懲役3年で執行猶予が付されて胸のつかえがとれました。弁護人にとっても実刑判決が下されることは辛いことで、自白事件であれば起訴後は執行猶予が付されるように、ひたすら情状弁護活動に取り組むことになります。

 さて、上記の事件は今日で終了しましたが、最近新たに裁判員裁判対象事件を担当することとなり、今まで以上に緊張感をもって取り組んでいます。また、否認事件も数件担当していますので、しばらく忙しい日々が続きそうです。

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2012年5月10日 | コメント/トラックバック(0) |

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否認事件の刑事弁護はやっぱり大変。

昨日までいろいろ仕事していましたが、今日はある程度ゆっくりと過ごせそうです。(刑事事件の)否認事件を抱えていますから、気を抜けませんけど。

一般論ですが、否認事件の場合には捜査機関側が被疑者を自白させるために取り調べにおいていろいろな圧力をかけてくることが実際にあるようですので、被疑者の様子を確認し、連日長時間の取り調べに心が折れかかっている被疑者に適宜的確なアドバイスをするためにも足しげく接見にいく必要が状況次第ではあります。「やっていないんだったら、認めるはずがない(虚偽の自白をするはずがない)」なんて言われがちですが、これまでにあった複数の冤罪事件に鑑みると、このような思考方法は危険であることが自ずとわかるはずです。被疑者がやっていなくても罪を認めることはあり得るところでして、万が一にもそのようなことにならないように弁護士は活動しないといけません。

というわけで、接見要望があれば休日返上で頑張りたいと思います。






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2012年5月5日 | コメント/トラックバック(0) |

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