少年事件ならではの大変さ

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最近は、少年による凶悪事件はあまりみかけませんね。私は少年事件もよくやってますが、窃盗事件がダントツで多い気がします。あとは傷害とか、たまに薬物事件とかあります。

少年であっても、大人と同じく逮捕、勾留されますが、少年事件の場合、起訴されて裁判になるのではなく、勾留満期までに家庭裁判所に事件が送られて、ほとんどの場合、観護措置決定が出されます。観護措置決定が出ると、そのまま少年鑑別所に収容されて、少年審判の日までそこで過ごすことになります。
鑑別所では、少年の性格分析や知能テスト、家庭状況の調査、非行原因の調査などなどいろんな調査がなされ、その結果を踏まえて少年審判が行われるわけです。大人の場合ですと「弁護人」と呼ばれますが、少年事件では家裁送致後は「付添人」と呼ばれます。

そんな少年事件で大変なのは、少年とのコミュニケーションです。非行に走る少年の多くは家庭や交友関係に何らかの問題を抱えているんですが、なかなか真意を話してくれなかったり、上手く自己表現できなかったりするんですね。親や友達をかばったりなんてこともよくあるんです。前者のことは大人でもよくありますが、後者のことは少年事件ならではのことです。コミュニケーションが苦手な子がけっこういますが、面会を重ねて、根気よく真意を聞き出すことがまず重要ですね。

それから、少年で家庭環境に問題のある場合、その環境を改善できるように親とも面会して話をすることも必要です。ここでツライのは親が非協力的な場合、もしくは仕事等で忙しくて協力する意思はあってもできない場合です。親の気持ちも分かりますが、決して見捨てることなく、子供が更生できるように一緒に悩んで、頑張って欲しいというのが私の本音です。

あと、少年事件では家庭裁判所調査官が少年ごとに担当について、その少年のことを調査し、どういう処分が適当か意見を述べるんですが、調査官との連絡も非常に重要です。お互い少年のことで、どうしたら立ち直れるのかについて意見を交わし、悩んだりしますが、話を聞くと「なるほど」と思わされることや、いろんな問題点に気づかされることが多々あります。調査官の方は、すごい熱心な方が多いです。

上記活動に加えて、被害者対応や、少年の社会内での更生のための環境調整などの活動もあるんで大変なんですが、でも、やりがいはすごいあります。

大人の事件も同じですが、自分が担当した方が更生してくれたら、こんなに嬉しいことはないですね。というわけで、実は今日の午前中に少年審判がありますが、全力を尽くします。

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