労働法のおすすめ本(弁護士向け)


 お盆真っ最中ですが、まだまだ暑さが厳しいですね。
この時期は、期日もあんまり入らないため、溜まった仕事(起案)に集中できたりして、けっこう落ち着いて過ごせています。

 さて、今回は、久々に労働法について書こうと思います。あいかわらず、当事務所では、労働関連事件を相当数受任しており(昔と異なるのは、労働者側
だけでなく使用者側でも担当することが増えたことです。)、その解決にあたって日々いろいろな裁判例や文献を参照しています。
 で、今回は、確か以前にこのブログで書いたことがあるのですが、実務家(弁護士)が労働事件を担当するにあたってお勧めの本を紹介できればと思っています。
というのも、前回書いたときから数年経過しており、その間にわかりやすい本がたくさん発売されたからです。
 なお、以下はあくまで私の主観でしかありませんので、あしからず。

 まず、労働事件をやる場合、疑問に思った点について、初めに手に取って確認するのは、菅野和夫教授の「労働法」(最新のものは第十一版補正版ですね。)(弘文堂)になりますね。水町勇一郎教授の「労働法」(第7版)(有斐閣)や荒木尚志教授の「労働法」(第3版)(有斐閣)、土田道夫教授の「労働契約法」(第2版)(有斐閣)といったそれなりにボリュームがあってわかりやすい基本書がいくつも刊行されていますが、いまだに菅野和夫教授の労働法が実務に与えている影響は絶大だと思います。鉄板ですね。

 次に、労働事件を(主に)使用者側の立場で多数担当されている岩出誠弁護士の「労働法実務体系」(民事法研究会)もわかりやすくて、参考になります。こちらは、裁判例の引用が豊富で調べるとっかかりになります。

 以上に加えて、山川隆一教授・渡辺弘裁判官編著の「最新裁判実務体系 労働関係訴訟Ⅰ~Ⅲ」(青林書院)、白石哲裁判官編著の「裁判実務シリーズ 労働関係訴訟の実務」(第2版)(商事法務)、佐々木宗啓裁判官ほか編著の「類型別 労働関係訴訟の実務」(青林書院)、渡辺弘裁判官著の「リーガルプログレッシブ 労働関係訴訟」(青林書院)あたりを読めば、ほとんどの事件について(知識面に限っては)解決の糸口が見えると思います。中でも、「類型別 労働関係訴訟の実務」は、事件を担当していて疑問に思う点について、Q&A方式で丁寧に解説されていて、とてもわかりやすいです。個人的には、これは名著だなと思いました。
 これらの書物は、いずれも地裁労働部勤務経験のある裁判官が主に執筆しており、学者が執筆している基本書には書かれていないような実務的な話に分量を割いて書かれていたりしますので、労働事件をやる弁護士は必読だと言っても過言ではありません。
 あと、山口幸雄裁判官ほか編著の「労働事件審理ノート」(第3版)(判例タイムズ社)もはずせませんね。これを読めば、労働事件の要件事実の基礎を勉強できます。

 以上、労働事件をこれから担当される弁護士になりたてのみなさんの参考になればと思います。なんだかんだで何冊も挙げていますが、特定の分野を調べるだけなら、さっと目を通せますので、「多すぎて読めない」ということはないと思います。
 

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