春特有の労働相談


 いつもよりペースの速い更新です。3月、4月といえば、別れと出会いの季節ですね。一般的には大学生なら卒業して社会人になり、仕事を開始するわけですが、私の場合には卒業しても司法浪人になっただけでした。同級生が社会人になっていくのに、自分は浪人生。このまま司法試験に合格しなければどうなるんだろう、司法試験をあきらめて別の道に進んだ方がいいのかな…と悩んだわけですね。う~ん、今思い出しても切ないです。

 さて、久々に労働事件について書きたいと思いますが、毎年4月から7月くらいにかけては、上司と性格があわない、会社から要求される業務処理能力を満たさない、営業の数値を達成できない、会社の雰囲気になじめない等といった理由で、1か月から3か月程度で退職勧奨される、解雇されるといった相談が多くなります。一般的に、会社は新入社員に対して3か月程度の試用期間を設けている場合が多く、試用期間中であれば上記のような理由で簡単に解雇できると考えている人が労使ともに多いと思います。
 ですけども、試用期間中といえども、解雇権濫用法理(労働契約法16条)が適用されるわけでして、解雇するのは予想以上に難しいと思っておいた方がよいでしょう。少なくとも、「会社の雰囲気に合わない」、「会社の調和を乱している。」等といった曖昧・不明確な理由では解雇できません。また、即戦力、専門性重視の中途採用ならばともかく、新人であれば高度な業務処理能力を発揮できないのが普通ですから、能力不足を理由とした解雇も実は容易ではないのです。

 ですので、会社から「能力不足」、「会社にあわない。」等という理由で退職勧奨された場合には、その場で即答せずに、一度自宅に戻った上で、自分はどうしたいのか、納得できるのかをよく考えた上で回答した方がよいでしょう。会社を辞めたくないのであれば、退職勧奨には応じずに、はっきりと「退職する意思はない。」旨を伝えなければなりません。
 その上で、会社から「解雇する。」と言われた場合には、解雇理由証明書や解雇予告通知書等の書面を発行してもらって、何月何日付の解雇なのか、解雇の理由は何かを明確にさせることが重要です。解雇の効力について争うかどうかはすぐに決断できるものではありませんが、少なくとも、証拠がなければ争いたいと思っても争えない(裁判しても勝訴できない)わけでして、証拠だけは確保しておく必要があります。
 なお、会社が解雇理由証明書や解雇予告通知書を発行しない場合もありますが(後で争われなくないからです。)、このような場合には、すぐにメールや内容証明郵便等の記録に残るもので書面を発行するように改めて請求することが有用です。すぐに労働基準監督署に相談に行くのもいいと思います。
このような行動をとったことが、解雇された事実を間接的に推認させるからです。

 前回に引き続き、今回もけっこう真面目なことを書きましたので、次は法律とは関係のない話を書きたいと思います。

 

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