
平成30年度 司法試験合格発表
本日、司法試験の合格発表がありましたね。
最近、法曹界は人材不足(2,3年前と比べて、求人に対する応募が減っているという意味ですが)なので、今年の合格者数はどうかなと気になって見てみました。法務省のサイトへのアクセスが殺到しているようでなかなか開けなかったですが、やっと見れました。
今年の合格者数は1525人、合格率は29.11パーセントとのことです。合格者数は昨年より18人減ですが、合格率は上がったようですね。
最年少合格者として19歳が1人いますが、高校在学中に予備試験に合格された方のようです。すごいですね。一体いつ勉強していたんでしょうか。
法科大学院別合格者数は、1位が京大の128人、2位が東大の121人、3位が慶応の118人、4位が早稲田の110人、5位が中央の101人ということでした。これは例年とほぼ同じですね。
合格されたみなさん、おめでとうございます。これから司法修習が始まるまでの間、ゆっくり休むなり、遊ぶなりして楽しんでください。修習が始まるとまとまった休みは2回試験後までとれなくなりますので。
2018年9月11日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:仕事
富田林警察署における逃走事件
いつの間にか、8月も下旬にさしかかってきましたね。年を重ねるごとに、月日の経過を早く感じるようになっています。
今回、仕事で関西方面に出張に行ったついでに故郷の京都に立ち寄ってきたのですが、京都は相変わらず蒸した暑さというんでしょうか、湿度が高くて、外にいるだけで汗が噴き出してくるような暑さでした。
で、唐突ですが、関西出張中に富田林警察署において弁護人との接見後に被疑者が逃亡した事件のことが頭をよぎりましたので、そのことについてこのブログで触れたいと思います。当事務所の大阪事務所に立ち寄ったのですが、今も被疑者がひったくりを繰り返して潜伏しているというのはなかなか怖いですね。一時的に滞在していた私がそう感じたならば、住民の方々の不安はもっと大きいと思います。
報道が真実か否かはさておいて、その報道によれば「被疑者は接見室のアクリル板を蹴破って、隙間から逃亡した」可能性が強いということですが、この点は私にとっては謎ですね。私は、弁護士になりたての頃から今日まで、毎年数件の刑事事件を担当していまして、主に東京のいろんな警察署に接見に行きますが、どこも接見室を区切るアクリル板は二重構造になっていて、蹴破れるようなものではないんですよね(あくまで感覚ですが、けっこう分厚いです)。なので、これをどうやって蹴破るのかなっていうのが最初に浮かんだ疑問です。
もしかしたら、富田林警察署の接見室のアクリル板は二重構造じゃないのかな、警察署の建物が古いのかな、なんていろいろ考えています。
それから、今回の事件について、インターネット上のやりとりを見ていると「弁護士(弁護人)が被疑者とグルになって被疑者を逃亡させたんじゃないか。」なんて
意見が出ていますが、これはあり得ないでしょうね。弁護士の全員がそう考えてるんじゃないかってくらいにあり得ないことだと思います。弁護士が被疑者の逃亡に手を貸すメリットは皆無ですから。「被疑者からお金もらって手助けしたんじゃないか。」なんて意見がありそうですが、そんなお金があるならばこの被疑者は強盗や窃盗をやってないと思いますし、弁護士が被疑者の逃亡を手助けした場合、重い懲戒処分(少なくとも業務停止は間違いないでしょうね。)を受けることになるので、そもそも、いくらお金を積まれてもやらないと思いますね。
今回の弁護人の落ち度は、接見終了後に留置係の職員に声掛けをしなかったことくらいでしょう。この点について、確かに、接見が終わった後に受付に職員がいないことがたまにあります。そういうときは、担当職員が留置場の中に入っていることが多いのでしばらく待ちますが、出てこない場合には、接見が終わった被疑者に対して、「ドアを叩いて(トントンとノックする程度)職員(を呼んで接見が終わったことを知らせて」と伝えてそのとおりやってもらったり(留置場の中にいる方がほぼ間違いなく気づきます。)、受付の外にいる他の係の職員(警察官)に声をかけてから帰るようにしています。
でも、受付に担当職員がおらず、しばらく待っても誰も現れず、留置場のドアをたたいても中に入っている職員が気づかず(反応がなく)、受付の外に警察官もいなかった場合を想定すると、今回の報道を見るまでは、そのまま帰ってしまう可能性があったかもしれません。まぁ、そもそも、そんな場合はほぼないと思いますが。実際、ドアを開けると音がなりますしね。
いずれにせよ、弁護士も気を引き締めて対応しないといけないと再度認識するきっかけになりました。上記の通り、些細な気の緩みが被疑者の逃亡といった重大な結果につながることがあるわけなので。
2018年8月23日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:日記
労働法のおすすめ本(弁護士向け)
お盆真っ最中ですが、まだまだ暑さが厳しいですね。
この時期は、期日もあんまり入らないため、溜まった仕事(起案)に集中できたりして、けっこう落ち着いて過ごせています。
さて、今回は、久々に労働法について書こうと思います。あいかわらず、当事務所では、労働関連事件を相当数受任しており(昔と異なるのは、労働者側
だけでなく使用者側でも担当することが増えたことです。)、その解決にあたって日々いろいろな裁判例や文献を参照しています。
で、今回は、確か以前にこのブログで書いたことがあるのですが、実務家(弁護士)が労働事件を担当するにあたってお勧めの本を紹介できればと思っています。
というのも、前回書いたときから数年経過しており、その間にわかりやすい本がたくさん発売されたからです。
なお、以下はあくまで私の主観でしかありませんので、あしからず。
まず、労働事件をやる場合、疑問に思った点について、初めに手に取って確認するのは、菅野和夫教授の「労働法」(最新のものは第十一版補正版ですね。)(弘文堂)になりますね。水町勇一郎教授の「労働法」(第7版)(有斐閣)や荒木尚志教授の「労働法」(第3版)(有斐閣)、土田道夫教授の「労働契約法」(第2版)(有斐閣)といったそれなりにボリュームがあってわかりやすい基本書がいくつも刊行されていますが、いまだに菅野和夫教授の労働法が実務に与えている影響は絶大だと思います。鉄板ですね。
次に、労働事件を(主に)使用者側の立場で多数担当されている岩出誠弁護士の「労働法実務体系」(民事法研究会)もわかりやすくて、参考になります。こちらは、裁判例の引用が豊富で調べるとっかかりになります。
以上に加えて、山川隆一教授・渡辺弘裁判官編著の「最新裁判実務体系 労働関係訴訟Ⅰ~Ⅲ」(青林書院)、白石哲裁判官編著の「裁判実務シリーズ 労働関係訴訟の実務」(第2版)(商事法務)、佐々木宗啓裁判官ほか編著の「類型別 労働関係訴訟の実務」(青林書院)、渡辺弘裁判官著の「リーガルプログレッシブ 労働関係訴訟」(青林書院)あたりを読めば、ほとんどの事件について(知識面に限っては)解決の糸口が見えると思います。中でも、「類型別 労働関係訴訟の実務」は、事件を担当していて疑問に思う点について、Q&A方式で丁寧に解説されていて、とてもわかりやすいです。個人的には、これは名著だなと思いました。
これらの書物は、いずれも地裁労働部勤務経験のある裁判官が主に執筆しており、学者が執筆している基本書には書かれていないような実務的な話に分量を割いて書かれていたりしますので、労働事件をやる弁護士は必読だと言っても過言ではありません。
あと、山口幸雄裁判官ほか編著の「労働事件審理ノート」(第3版)(判例タイムズ社)もはずせませんね。これを読めば、労働事件の要件事実の基礎を勉強できます。
以上、労働事件をこれから担当される弁護士になりたてのみなさんの参考になればと思います。なんだかんだで何冊も挙げていますが、特定の分野を調べるだけなら、さっと目を通せますので、「多すぎて読めない」ということはないと思います。
2018年8月13日 | コメント/トラックバック(0) |
この夏の過ごし方
今年は昨年以上に暑く感じていますが、みなさんはいかがでしょうか。
昨年までは、読書以外に趣味もなく、毎月出張で各地に行っているので旅行にも興味がない、ということで漠然と過ごしていましたが、
今年は、昨年11月に購入したバイクがありますので、どこかに走りにいけたらなと思っています。これまではほぼ仕事でしかバイクを利用していなかったので(警察署や裁判所に行ったりしてました。)、この夏こそは!!ということで日帰りツーリングを考えています。せっかくなので、数日間走りに行きたいところですが、職業病なのか、数日間仕事を離れるのは怖いと感じてしまう自分がいます。
とはいえ、暑い日にバイクに乗るのはかなりキツイ。「風を受けて涼しそう」なんてイメージを抱かれやすいのですが、実際は「熱風を受けているような感じ」でして、夏場の日中はしんどいです。日が沈んだ後は涼しく感じるんですけどね。
特に空冷バイクはエンジンからくる熱がすごくて、ヒーターにまたがっているようなもんですから、より一層、夏場を苦手としています。こういうことを踏まえると、
体力の消耗が少ない日帰りツーリングばちょうどいいのかもしれないですね。
行先は決まっていませんが、関東近郊で日帰り可能な長野、山梨、静岡あたりで考えています。
以上、とりとめなく書いてきましたが、皆さんもよい夏休みをお過ごしください。
2018年8月8日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:仕事
第61期10周年記念大会
前回のブログで、健康診断で芳しくない結果(数値)が出たと暗にお伝えしましたが、
先日、詳細な結果が自宅に届きました。
やはり数値がよろしくなくて、精密検査・経過観察等の文字が躍っていました。ここ数日、糖分を控えるよう意識していますが、
食生活の改善が数値となって表れるにはどの程度時間を要するのか、興味があります。
しばらく放置していたことを反省し、来年も健康診断を受診するつもりですが、そのときまでに各種数値が変わっていてくれたらいいんですけどね。
食生活の改善に加えて、代謝のよい身体をつくるべく、何か運動を始めようと考え中です。
さて、ここからが本題ですが、先週の土曜日・日曜日の2日間にかけて、熱海で司法修習第61期10周年記念大会・クラス別懇親会が行われて、私も参加してきました。直前に西日本を大雨が襲ったため、急遽参加できなくなった方も大勢いたと思いますが、それでも600人くらいが出席したようです。
服装については「カジュアルウェアでよい」旨事前の案内に記載されてましたが、「短パン、Tシャツ、サンダルは遠慮してください。」とも記載されていたので、
「どこまでカジュアルが許されるのか。」、「ジーパンで行ってもいいのか。」とどうでもいいことで悩んでいました。結果として、私はチノパンで参加しましたが、ジーパンの方も何名もいましたね。来年度10周年記念大会が行われる62期の方の参考になれば(笑)。
熱海には品川から新幹線や伊豆急行で一本で行けるので、移動はとても楽でした。久々に同期と話せて、いろいろ参考になりましたし、楽しくもありました。
10年間ずっと同じ法律事務所に勤めている人もいれば、独立して自分の事務所を構えたり、企業内弁護士になったり、任期付き公務員になったり、留学して海外の弁護士資格を取得した人もいて、本当に進路は様々でした。ここ数年間、「弁護士は儲からない。」、「弁護士は割に合わない」という話をよく耳にしますが、今回の懇親会でいろんな人と話をした結果、弁護士の将来は世間で言われているほどには暗くないと感じました。
もちろん弁護士が楽な仕事ではないことは間違いないですが、それは弁護士に限らずどんな仕事にも当てはまることなので(どんな仕事にもその仕事特有の大変さがあります。)、これから弁護士を目指す方には、悲観的になることなく頑張ってもらいたいと思います。なお、10年以上昔に比べたら弁護士業界の競争が激化していることは間違いないですが、どんな業界でも一定の競争はありますから、この点もそれほど気にしなくてよいと思います。
来年以降に10周年を迎える62期以降のみなさんには、参加して損はないとお伝えしたいと思います(このブログを見てくれている方がどのくらいいるのか疑問ですが)。
2018年7月10日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:日記
健康診断、ちゃんと受けましょう。
タイトルのとおり、健康診断は毎年ちゃんと受けたほうがいいです。自分は大丈夫、という根拠のない自信は危険です。
というのも、私は昨日、5年ぶりくらいに健康診断(人間ドック)を受けてきたのですが、いろいろな数値がヤバかったです。
5年間もの間積もりに積もった不摂生な生活のツケは、わかりやすく数値に表れていました。よくある後悔ですが、「もっと早く健康診断受けていれば」と思っても、
後の祭りでして、過ぎた時間は戻りません。
これから、私は、食生活を見直し、規則正しい生活を心がけ、適度な運動をする、ということで生活態度全般を改善しようと思いますが、不摂生で傷んだ私の体が
どこまで回復するのかはわかりません。
ということで、繰り返しになりますが、このブログを読んでくれている皆さん、健康診断はちゃんと受けましょう。忙しくて1年、2年と健康診断を受けずに過ごし、そうなると、結果が怖くて3年目、4年目も受けれず、という悪循環に陥ったのが私でございます。早く受けるに越したことはないので、皆さん、怖がらずに是非。
2018年6月27日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:日記
平成30年度司法試験結果(短答式)
久々に司法試験ネタについて書きたいと思います。
平成30年の司法試験の短答式の結果が発表されましたね。受験者総数4805人、短答式合格者3238人で合格率は67.3%だったようです。
そして、驚くべきことに、予備試験組の合格率は99.5%(433人受験して、431人合格)だったようですね。法科大学院トップ合格率は、京都大学の88.9%。
予備試験組、恐るべしですね。法科大学院トップの京都大学よりも合格率がはるかに高いわけですから。
今後の法曹になるためのオーソドックスなコースは、①大学在学中から法科大学院合格に向けた勉強とともに予備試験の勉強を行い、大学在学中に予備試験・司法試験合格を目指す(法科大学院は保険的な意味合い)、②大学在学中に予備試験に合格できなかった場合には法科大学院に進学し、法科大学院進学後も予備試験を受験して合格を目指す、ということになりそうですね。というよりも既にそうなっているのかもしれません。
法科大学院の授業料やその間の生活費のことを考えると、予備試験→司法試験というコースがお財布にも優しいですし、予備試験通過組というキャリアは就職においても有利に働きそうな感じがありますから(そういう噂をよく耳にしますが、実際はどうなんでしょうか。個人的には、経歴よりも人柄や伸びしろが一番重要だと思うんですけどね。)、予備試験を受験する人は今後も増えそうですね。他方で、法科大学院受験者数は減少の一途をたどっているようで、寂しく思います。
一昔前の法曹への人気を回復するにはどうしたらいいんでしょうかね。以前は「司法試験に合格しても就職難」と言われていましたが、今はそうではないと思います。昨年から今年にかけては売り手市場と言われているくらいですから、(こだわりをもって選ぶのでなければ)就職先に困ることはありません。
また、売り手市場になっていますから、待遇も数年前に比べて全体的によくなっていると思います。他に気になることといえば、AIの発達による将来的な弁護士業務そのものの減少でしょうが、個人的にはそうなるのはまだまだ先だと思いますね。これは実際に事件を担当したことがないとわからない感覚だと思いますが、当事者が勝ち負けだけにこだわっていることは少なく(大企業はどうかわかりませんが。)、AIによる判断だけでは代替できないことが多分にあると感じています。
法曹(特に弁護士)は、ときには他人の人生に深く関わることもあって責任は重大ですし、日々新たな知識を補充すべく自己研鑽が必要ですから楽な仕事ではありませんが、その分やりがいも大きいといえます。ですので、興味のある方には積極的に目指してほしいと思います。まぁ、数年前だったら、就職状況も待遇も厳しいものがあったので、こんな風に積極的にはオススメできなかったんですけどね(笑)。
2018年6月8日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:日記
GW真っ只中に半年間を振り返る
半年ぶりの更新になります。半年間も放置していたのは初めてかもしれず、マニアックなこのブログの読者もいなくなってしまったのではと不安に思いつつあります。
さて、世間ではこの半年間でいろいろなことがありましたが、私の生活は相変わらずです。仙台、福岡、大阪の3支店に行くとき以外は、ほぼ恵比寿にある事務所で
仕事しており、恵比寿駅直結のアトレに入っている有隣堂書店に立ち寄ることが日課となっています。あえて言うならば、最近、労働事件と交通事故事件、家事事件の3つの分野の依頼が増えた一方で刑事事件の依頼が減ったように感じます。まぁ、刑事事件は留置先の警察署への移動に時間がかかりますので、業務の負担という意味では楽になってよかったのかもしれません。
あと、ようやく念願だったバイクを購入したことが昨年度の個人的なビッグニュースと言えるかもしれません。あまり乗る暇がなく、初回オイル交換すら完了していないのですが、もっぱら、警察署や少年鑑別所にバイクで行くようになりました。司法修習中の就活資金(山口から関西、関東への移動交通費)が枯渇したことがきっかけで、それまで大事に乗っていたバイク(カワサキのゼファー1100)を手放したので、約10年ぶりの復活ということになります。
天候に左右されますから、もちろんバイクよりも車の方が快適度は断然上なんですが、開放感や運転する楽しさという点では車よりもバイクが勝っていると思っています。ということで、このブログを読んでくださっている皆様、一度はバイクに乗ってみてはいかがでしょうか。よく「バイクは危ない」、「転倒したら命を落とす」なんて言われますが、無理なすり抜けをしたり、スピード違反をしたりしなければ、意外と安全ですよ。
ということで、今日はこのへんで。GWで天気もよくて、まさにバイク日和なんですが、今日はおとなしく事務所で起案しています。
2018年5月4日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:日記
法律事務所の業務停止による影響
あっという間に秋になりましたね。1,2か月に1回のペースでしか更新できていなくて、我ながら情けないところですが、来年こそは業務が落ち着いてもっと頻繁に更新できるのでは?と思っています(1,2年前も同じようなことを言っていたかもしれませんが、そこはご愛嬌ということで)。
さて、ここ最近の法曹界におけるビッグニュースは、やはり、アディーレ法律事務所の懲戒処分だと思います。
景品表示法違反のニュースがあったときに、「誰かに懲戒請求もされるんだろうな」とは予想していましたが、その結果が業務停止になるとは予想していませんでした。
私の認識が甘いのかもしれませんが、アディーレ法律事務所は全国的に数十の支店を要する大きな事務所ですので依頼者さんも当然相当数いらっしゃることが容易に予想されるところ、これら多くの依頼者さんにとって重大な影響を及ぼす業務停止処分を弁護士会が下すとは思わなかったというのが私の本音です。業務停止になれば、委任契約は解約となり、依頼者さんが困惑する状況になりますからね。実際、東京弁護士会の相談窓口には相談の電話が数千件殺到していて、なかなかつながらない状況らしいです。
他方で、行政処分を受けたということは、「おそらく、アディーレ法律事務所が消費者庁からの広告に対する警告をそれなりの期間、無視していたのでは」と予想され(あくまで私の個人的な予想です。)、この点を踏まえると業務停止もありえるのかもしれません。過去に1回懲戒処分を受けていることも踏まえるとなおさらそう言えるのでしょうね。
いずれにせよ、今、やるべきことは、各地の弁護士会・弁護士が、アディーレ法律事務所との委任契約が解除されて戸惑っている多数の依頼者さんの相談に応じる、新たに委任契約を締結するなどして弁護士全体でサポートすることだと思います。アディーレ法律事務所から書面が順次、依頼者さん宛に送られてきているようですが、電話がつながらず相談できない、どこの法律事務所に新たに依頼したらいいのかわからない、といった悩みを多くの方が抱えて不安に思われているのではないでしょうか。
東京では、上記の通り、東京弁護士会が相談窓口を設置していますが、つながりにくいようですので、当事務所(琥珀法律事務所)としてもご相談いただけるのであれば、微力ながらできるだけお力にはなりたいと思います。お困りの方は、お気軽に電話で(場合によっては事務所にお越しいただいて)ご相談ください。
2017年10月19日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:仕事
近況報告
いつの間にか9月中旬になってしまいました。年齢を重ねたせいか、時間の経過を以前よりも早く感じるようになりました。
さて、今月から琥珀法律事務所の仙台支店及び福岡支店を開設しまして、九州、東北においても充実したリーガルサービスを提供できるように頑張っていこうと思っています。
ということで、しばらくの間は仙台と福岡に頻繁に出張する予定ですが、なかなか起案する時間を確保できなくてちょっと追いつめられています。
業務の効率化を図るほかないのですが、いざ効率的にやろうと思っても意外に難しいものです。そもそも、弁護士の仕事は一言で表すと「(依頼者ごとの)オーダーメイド」で、本来、効率化に向かないものですからね(事実関係は依頼者ごとに全て異なるわけで、一つとして同じ事件はありません。)。
弁護士になる前は、「弁護士費用ってどうしてあんなに高いんだろう。」なんて思っていたのですが、弁護士として仕事をするようになるとその疑問は解消しました。上記の通り、基本的に依頼者ごとのオーダーメイドだからです(一般的に、オーダーメイドの商品は量産品に比べて手間がかかり、その分値段も高くなっていますよね。)。弁護士が「職人」と言われる所以ですね(最近はあまりそう言わなくなった気もしますが)。その他、弁護士は報酬から事務所の賃料や電話代、事務員の給料等を支払わないといけないことも関係あります(けっこう毎月の支出が多いということです)。
さて、話がそれてしまいましたが、今日はこのへんにして業務に戻ろうと思います。
2017年9月21日 | コメント/トラックバック(0) |
カテゴリー:日記