平成24年度国家総合職(法律区分)の論文問題。

 平成24年度の国家総合職の法律区分の論文問題を見ました。
年々長文化される傾向にあるようで、今年も昨年同様にそれなりの分量のある事例を読解させる問題でした。

 憲法、民法、行政法という3科目は、質・量ともに十分なものであり、教科書を読みこんでるだけでは対応できない問題だと思います。新司法試験向けの演習本で普段から練習しておくことが有益ですね。分量も問題のレベルもちょうどいいでしょう。
問題についてはちらっと見ただけでして詳細に分析していないので、どうこう言うことはできませんが、憲法は北方ジャーナル事件と比較して論じさせるもので普段から判例をしっかりと呼んで事例と判旨を頭に叩き込んでおかないと十分な論述はできないでしょう。
 民法は、考えられる請求をすべて挙げさせて論じさせるものであり、これも面白い問題だと思います。どんな請求を挙げて、どれだけの分量で論じればいいのか、多くの受験生が悩んだことだと思います。受験生の評判では、民法が最も難しく、行政法が易しかったようです。原告適格という典型論点が出題されたからでしょうかね。

 時間があれば、自分の頭のトレーニングもかねて、時間をかけて問題を分析してみたいと思っている今日この頃です。

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2012年6月5日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:日記

退職勧奨が増えているようです。

 最近、退職勧奨についての法律相談をよく受けます。4月入社の方ですと、6月末をもって3か月の試用期間を経過するわけでして、上司から「能力が足りない。」、「会社にあわない。」といった理由で退職勧奨される方がちらほら見受けられます。

 「こういうときにどうすればいいですか?」という相談が多いのですが、退職を迫られた場合、その場で即断せずにじっくり検討することが必要だと思います。こんなご時世ですから、退職してもすぐに次の仕事に就ける可能性は高くはないでしょうし、一生の経歴に関わることですから。上司が「すぐに退職届を出せ。」とか「(合意退職の)書面にサインしろ」と迫るのは、そうすることが会社にとって都合がいいからなんですね。「今、退職すれば解雇しない。」とか脅される方もよくいますが、解雇して困るのは会社の方でしょう。日本では、解雇が有効と判断されることは多くありませんので(試用期間中の解雇であっても、容易には認められません。試用期間中の解雇は、試用期間経過後の普通解雇に比べた場合に認められやすいといえるにとどまります。)、会社にとっては労働者から解雇無効を主張されて争われるリスクを回避するためにも退職してもらった方がありがたいわけですね。それから、何らかの書面にサインすることを求められた場合にも、すぐにサインせず、一度自宅に持ち帰ってじっくり検討した方がいいと思います。その書面に清算条項(債権債務関係が一切なしとするもの)なんかがこっそり記載されていた場合、あとから未払い割増賃金(いわゆる未払い残業代)なんかを請求することも難しくなります。

 「今日限りで来なくてよい。」等と言われる方もいますが、そういう場合にはすぐに弁護士や労働基準監督署等に相談するとよいでしょう。自分だけで即断即決しないことが重要だと思います。

 話は変わりますが、最近、万城目学さん著「鹿男あをによし」(幻冬舎文庫)を移動時間の合間と就寝前の時間を利用して読みました。けっこう前に発売された本ですが、買ったはいいもののしばらくの間、本棚で眠っていたものです。読んだ感想は、「プリンセストヨトミ」と同じ感じで、万城目ワールド全開といった感じですかね(笑)。奈良を舞台にしたフィクションですが、内容はよく練られていて面白かったです。



 さて、今日は、いわき市で出張法律相談がありますので、朝からスーパーひたち7号に乗っていわき駅に向かってます。車両が新しく、快適です。東京に戻ったら、湾岸警察署へ接見に行く予定です。まだまだ先は長いですが、一日頑張ります。



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2012年6月3日 | コメント/トラックバック(0) |

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