琥珀法律事務所に4名の弁護士が入所しました。

 早くも4月下旬になりました。
新型コロナの影響により、今年の二回試験の合格発表と新人弁護士の入所時期は例年の12月から4月に変更となりまして、今月、4人の弁護士が琥珀法律事務所のメンバーに加わりました。

 弁護士になってからしばらくの間は、覚えることがたくさんあって大変だと思いますが、ぐっと我慢して仕事に取り組んでもらいたいと思います。
 新人弁護士全体にあてはまることだと思いますが、最初にサボることをおぼえると後で苦労することは間違いないので、気を引き締めることが必要です。土台(基礎)がしっかりしていないと高い建物を建てることはできないわけでして、最初が肝心だと思います。

 さて、最近、知人の弁護士の訃報が手紙で届きました。まだまだ若いのにどうして…という思いはありますが、考えてみると、私も中年となり、いつ病気にかかってもおかしくないですし(実際、若かったときに比べて、体調不良等によって病院に通うことが大きく増えました。)、未だに不規則な生活をしていますので脳卒中等になる可能性もあると思います。これまで当たり前に享受していた健康は、当たり前のものではないなと改めて感じさせられました。

 私自身もいつ亡くなってもおかしくないという意識をもって、貴重な今の時間を大切に過ごしていきたいと思います。同じように、新人弁護士となられた皆さんについても、時間は有限であることを意識しながら、日々を大切に過ごしていってもらいたいと思います。

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2022年4月26日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:仕事

刑法、民事訴訟法、家事事件手続法の法改正

 本日、侮辱罪の厳罰化を盛り込んだ刑法改正案が閣議決定されたというニュースを目にしました。
 ニュースによれば、主にインターネット上の誹謗中傷抑止を目的として、現行法の「拘留または科料」から「1年以下の懲役もしくは禁錮、30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料」に法定刑を引き上げるとのことのようです。

 上記改正については、私がこのブログで去年の12月17日に言及していますので、改めて述べませんが、安易に侮辱罪を適用して逮捕できるとなると表現行為全般に委縮効果を及ぼす可能性が高いと思いますので、逮捕や勾留は悪質な事案に限る等の運用面での限定が必要と思います。

 個人的には、IT化を目的とした民事訴訟法改正案と家事事件手続法改正案の方が気になります。改正が成立すると、書類のやりとりや裁判への参加等がオンラインで可能になるようです。また、離婚調停もウェブ会議で成立させることが可能になるようです。これはとても大きな変革だと思います。これまでは、「原告は実質的なやりとりがほぼ行われない第1回口頭弁論期日に出廷しなければいけない」、「裁判書類は郵送か持参かFAXでやりとりしないといけない」、「離婚調停を成立させるには、意思確認のために、当事者双方が調停に出席しないといけない」といったルールがあり、なかなか大変でした。
 それが上記の改正によって大きく効率化するのでしたら、とてもいいことだと思います。同時に、弁護士の営業・執務スタイルも大きく変化すると思われ、出廷の負担を気にすることなく事件を担当できるようになれば、距離を気にせずに事件を受任しやすくなるでしょうし、依頼者との相談・打ち合わせについてもウェブを用いて行われることが一般化するかもしれません
 
 唯一しんどいなと思うのは、上記改正によって、たくさんの文献が改訂され、それを買い直さないといけなくなることですかね。私は、書面を書くにあたっていろいろな文献を読んで調査するのが好きな性格でして、事務所にはたくさんの書籍を揃えています。そのため、改訂されて買い替える必要のある書籍数も必然的に多くなりますので、けっこうな出費が予想されるところです。いくらになるのか想像がつきませんが、頑張って買い直そうと思います(笑)

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2022年3月8日 | コメント/トラックバック(0) |

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10周年過ぎてしまいました…

 前回のブログで2月21日の10周年記念日にブログを更新する予告をしていましたが、恥ずかしながら、完全に失念してしまいました( ;∀;)
 加齢による記憶の衰えを改めて自覚した次第です。

 本来、2月21日に、これまでの振り返りとこれからのことを考えてたくさん書こうと思っていたのですが、もはや、やる気もなくなってしまいました。これは、小学生が「8時から勉強するぞ」とやる気になるのと似ているかもしれません。8時を過ぎてしまったら、もういいかと思ってしまい、次は「9時から勉強するぞ」というように、キリのよい時間から頑張ろうという心境ですね。そうなると、10周年の次にキリのよい年は15周年とか20周年になってしまいますので、随分先の話になってしまいそうです。

 ということで、少しだけ振り返ろうと思います。

 10年前の平成24年2月21日から正式に恵比寿駅前の住居兼事務所の賃貸物件(ドエリング恵比寿というマンション)において琥珀法律事務所をスタートさせました。そのときは、確か15坪くらいしかスペースがなく、相談室1つと執務スペースを確保するだけでいっぱいいっぱいでした。当時、広尾にあるおしゃれなオフィス型ビルを賃貸したいという思いもあったのですが、そこの家賃は1,5倍の価格だった上に、保証金も6か月分おさめなければならなかったため、経済的な事情から恵比寿にある上記物件を選びました。恵比寿の同物件は住居兼事務所タイプだったため、保証金は不要だったので、初期投資額が安くすんだのです。また、駅から徒歩1分という恵まれた立地だったことも選んだ理由の一つでした。

 開業当初、相談者が来てくれるのか、問い合わせはあるのか、果たして食べていけるのか、といろいろ不安でしたが、当時はまだ今ほど法律事務所間の競争は激しくなかったので、インターネット広告によって、それなりに問い合わせはありました。主に労働事件と刑事事件を中心に広告していたのですが、これまでに経験したことのない事項に関する相談も一定数あり、その都度、調べて対応するように努力しました。この過程で自身の実力が延びていっているはずだと思えば、時間がかかっても調べることは苦ではありませんでした。

 当時、とにかく、事務所経営を安定させたいという思いから、基本的に依頼されれば断らずに受けるというスタンス(ただし、要求が正当でないもの、証拠が皆無のものはさすがに受任しませんでしたし、予想される経済的利益が少なく、弁護士に依頼すると経済的にマイナスになってしまうものもお断りしていました。)で対応した結果、業務過多でしばしば徹夜を余儀なくされ、一番働いた時期だったように思います。恵比寿駅前にあるモンベルという登山用品店で寝袋とマットレスを購入したのはいい思い出です(笑)。
 30代前半だったから無理できたのかもしれませんが、41歳になった今、同じくらい働けと言われてもほぼ不可能だと思いますし、あの頃のように働きたくもありません。ただ、あの頃に精一杯働いたおかげで、それなりに経験を積んで知識も得られ、今につながっていると思われ、その意味では、多少無理しても働いてよかった、働いた意味はあったと考えています。年を重ねてからでは、体力も気力もどうしても衰えてしまっていますので(実際、年々、健康診断でひっかかる項目が多くなっています。)、苦労するなら若いときの方がよいでしょうしね。また、一定期間精一杯働いたことは自分にとって自信となっており、多少の苦労も少しは余裕を持って対応できるようになったと思います。
 もちろん、今でも知識や経験は十分ではありませんので、今後も努力を重ねていくつもりです。幸いなことに、私は基本書を読んだり判例を調べて読むことがけっこう好きなので、全く苦に感じません。この点はロースクール生だったときから飛躍的に私が進歩した点だと思います(笑)。

 振り返ると、独立した当初は、今ほどの規模にまで琥珀法律事務所を拡大できるとは夢にも思っていませんでした。せいぜい、弁護士数人、事務員数人の共同経営形態しか念頭にありませんでした。広いオフィスに引っ越せるとは思っていませんでしたし、全国各地に支店を展開できるとも思っていませんでした。拡大できたのは縁があって多くの人から仕事をいただけるようになったからであり、依頼してくださった方々や顧問先となってくださった方々、私の相談に乗って支えてくださった方々に深く感謝しています。また、縁あって琥珀法律事務所に入所して働いてくれている方々にも同様に感謝しています。

 今後も相談者・依頼者の方々のお役に立てるように、より良いリーガルサービスの提供を目指して頑張っていきたいと思いますし、内部的には、気持ちよく働ける環境を整えるように努力したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 


 

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2022年2月24日 | コメント/トラックバック(0) |

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10周年??

 今日は、2022年2月12日。私の記憶だと、事務所を開設した日は2012年2月12日だったと思うので、琥珀法律事務所は今日でとうとう10周年を迎えたんだと思って感慨にふけっていました。

 そして、10周年の記念日なので、この10年間を振り返ってブログを更新しようと思い、珍しく早朝から事務所に出勤し、満を持して、パソコンを立ち上げた次第です。昨日から、どんなことを書こうかといろいろ考えていました。

 で、ふと、「事務所を開設した日にはブログを書いているはずだ」と思い、過去に書いたブログをさかのぼって探してみました。ところが、2012年2月12日に更新された記録がない。それどころか、2012年2月15日のブログには「開業まであと1週間を切りました」と書いてある…。………??

 もしかするとと思って、続けてブログを見てみると、なんと、開業日は2012年2月21日でしたΣ(・□・;)

 人の記憶はあてにならず、思い込みって怖いものですね。なぜか「絶対に2月12日だ」と思い込んでいたので、自分でも驚いています。記憶は案外あてにならないことを自覚させられました。日々の裁判に生かせそうな経験です。

 周囲の何人かには「12日で10周年なんです~」と言っていたことが恥ずかしい。今さら、わざわざ電話して「実は間違ってまして、正確には2月21日です」なんて訂正しても、先方にとっては(おそらく)どうでもいい話なので、このブログを見てくれることを期待するにとどめます。

 ということで、次の21日こそ、過去を振り返ってちゃんと書こうと思います。

 

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2022年2月12日 | コメント/トラックバック(0) |

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民事執行法の名著が改訂されました。

 8月も後半にさしかかっていますが,元気にお過ごしでしょうか。全国的にコロナが蔓延している状況ですが、今年こそ、収束してもらいたいと心から願っています。このような状況ですので、依頼者さんとの対面相談をなるべく回避し、ウェブ面談や電話面談で代用したりしていますが、やはり、対面相談が依頼者さんとの信頼関係を築くのに最も有用ではないかと思っています。早く以前のように、安心して対面相談ができるようになってほしいと思っています。

 さて、本日、事務所に中野貞一郎先生・下村正明先生の共著「民事執行法 改訂版」(青林書院)が届きました。民事執行法の基本書はたくさん存在しますが、この本はその中でも最も信頼に足る体系書であり、実務家であれば手元に置いておいて損はしないものだと思います。今回の改訂版は900頁越えになっていて約5年半ぶりの改訂です。通読は困難と思いますが、適宜参照する本としてとても役に立つものです。

 上記の本のみならず、あらゆる法において、信頼に足るスタンダードな体系書を確保しておくことは大事だと思います。例えば、労働法でしたら菅野和夫先生の「法律学講座双書 労働法 第12版」(弘文堂)、会社法でしたら江頭憲治郎先生の「株式会社法 第8版」(有斐閣)、著作権法でしたら中山信弘先生の「著作権法 第3版」(有斐閣)あたりが持っていて安心感のある体系書にあたると思います。もちろん、これらの各分野において、ほかにも,新進気鋭の先生方が体系書を執筆されていますので、それを参照にするのもありだと思います。労働法だと水町勇一郎先生の「詳解 労働法」(有斐閣)や荒木尚志先生の「労働法 第4版」(有斐閣)、会社法だと田中亘先生の「会社法 第3版」(東京大学出版会)なんかがそうですね。

 弁護士として業務をしていた際に疑問点が生じると、実務家(弁護士、裁判官)が執筆した書籍を参照にするのが簡便だと思いますし、特定の法の概要を理解するには入門書と呼ばれる薄い基本書を読むのが有用と思います。ただ、これらの書籍や裁判例を調べてもわからないこと(これらの書籍には書いていないこと)が問題となった場合には、信頼できる体系書が役に立つということです。まぁ、そんなことは滅多にないんですけどね(笑)。

 ちなみに、手形小切手法の体系書といえば、大学時代の恩師である川村正幸先生の「手形・小切手法 第4版」(新世社)をお勧めしたいと思いますが、2026年を目途に手形・小切手の全面電子化が予定されているようですので、今さら購入する必要性は高くないといわざるを得ないです。うーん、ちょっと寂しいですね。大学3年、4年時といえば私が21、22歳のときですから、あれから今日までに20年も経ったんだと思うと感慨深いです。

 ということで、今日はこのへんで。

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2021年8月22日 | コメント/トラックバック(0) |

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労働事件やるなら必読というくらいにおススメ

 早いもので、あと少しで今年も折り返し地点です。

 ワクチンの接種が全国的に始まったおかげで、コロナ感染者数は収まりつつあるように感じます。このまま順調にいけば、来年はもう大丈夫かなと思ったりしますが、最後の懸念事項は東京オリンピックですね。世界各国から参加者が日本に訪れますが、感染拡大しないことを祈るばかりです。

 さて、久々に法律関連のお話ですが、私が代表を務める琥珀法律事務所では、開業以来、労働事件を相当数取り扱ってきています。
 実際には、開業する前に所属していた事務所が労働事件を専門的に取り扱っていた事務所なので、そこでの担当件数も含めると私個人はそれなりの件数の労働事件を担当して解決してきたと思っています。数十年にわたって労働事件のみを担当してきたという弁護士の先生方に比べたらまだまだですけどね。
 最近は、コロナによる不景気を反映してか、整理解雇(リストラ)のご相談も増えてきました。

 それで、ここから本題ですが、これまで労働事件を取り扱ってきた中で得た経験上、労働事件やるならこれ!というおススメの専門書籍がいくつかあります。
 そのおススメ本のうちの一冊である「類型別労働関係訴訟の実務」(青林書院)が最近改訂されまして、「類型別労働関係訴訟の実務Ⅰ」、「類型別労働関係訴訟の実務Ⅱ」の2分冊となって発売されました。分量が大幅に増え、信頼性はさらに向上したと推測します。

 労働事件を主に取り扱っていきたいと思っている若手弁護士の先生方や労使紛争の相談を受ける社会保険労務士の先生方、企業の法務部の方は是非購入されるとよいと思います。1冊約5000円と少々お高いですが、値段分以上の価値は十分にあります。この本、Q&A方式になっていて読みやすい点もおススメポイントです。

 これだけ強く推すと、私が上記文献の著者や青林書院の関係者と疑われそうですが(笑)、そんなことは全くありません。純粋におススメしています。
 ちなみに、上記著書の編著者は全員裁判官でして、この点に鑑みても、上記書籍を信頼できると推測できますね。

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2021年6月16日 | コメント/トラックバック(0) |

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新型コロナの猛威は続く

 あっという間に4月となりました。今年は桜をゆっくりと眺めることもできず、残念でした。開花時期は例年より早く、開花期間も短かったように感じますが、私の気のせいでしょうか…。

 さて、ちょうど去年の今頃、新型コロナの感染者数が増え始めたと記憶していますが、そのときは、まさか1年以上経過しても新型コロナの猛威が続くとは予期していませんでした。

 全く衰えを見せないどころか、ここにきて感染者数の拡大が続いているので、今後どうなってしまうのかと不安になってきました。本来の私はけっこう楽観的な性格なんですけど、さすがにここまで感染拡大が進むと心配せずにはおれませんね。特に,大阪,兵庫,京都を中心とする関西エリアについては,信じられないくらいの勢いで感染者数が伸びているので(大阪は、本日の感染者数が1000人を超えたようです。),ゴールデンウィークも国民全員で我慢のしどころだと思います。かくいう私も、京都の実家には1年以上立ち寄っておらず(母が高齢で、疾患も抱えているからです)、1日も早く、落ち着いて京都で数日間過ごせるような日がくることを心待ちにしています。

 ということで、ゴールデンウィークは仕事するぞ!!と決意しました。ゴールデンウィーク明けに新型コロナの感染者数が落ち着いていることを願って頑張ろうと思います。


 

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2021年4月13日 | コメント/トラックバック(0) |

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コロナによる経営不振を理由とした退職勧奨・解雇

 いつからか、毎月最低1回はこのブログを更新しようと決意しまして(ブログ開始当初は毎日更新を目標にしたのですが、それは早々に諦めました。そんなに毎日書くネタないので。)、しばらくその頻度を維持していました。
 ところが、今月は27日なのに一度もブログを書いていないことにさっき気づきまして、焦って何か書こうと思った次第です。

 そういえば、しばらくの間、法律関連の話はしていないなぁ、少しでも読者の役に立つことが書けたらいいなぁと思って決めたテーマが、タイトルにあるように、コロナによる経営不振を理由とする退職勧奨・解雇になります。

 弊所は解雇についてのご相談をそれなりの頻度でいただいているのですが、労働者からの相談で多いのは「経営不振で解雇された」というものではなく「経営不振を理由に退職するように迫られている(退職勧奨を受けている)」、「退職勧奨に応じないと解雇すると言われている」というものです。

 まず、解雇と退職勧奨は異なる概念であることを理解することが重要です。解雇は「雇用契約(労働契約)を終了させる一方的な意思表示(通告)」ですが、退職勧奨は「雇用契約を合意解約することに応じてもらえないかという申入れ(お願い)」にすぎません。
 例えば、「明日でクビです」と言われた場合は解雇に該当しますが、「明日で辞めてもらいたい」とお願いされた場合は退職勧奨に該当します。とはいえ、実際にはその線引きが難しいんですけどね。例えば、「明日から来なくていいよ」と言われた場合は解雇なのか退職勧奨なのか、はっきりしませんよね?
 話を戻しますが、会社(使用者)から退職勧奨を受けても、労働者が退職勧奨に応じなければ(退職することに同意しなければ)、雇用契約は終了せず続きます。この点は、労働者の同意の有無を問わずに雇用契約を一方的に終了させる「解雇」と大きく異なるところです。

 会社(使用者)は原則として退職勧奨を自由に行うことができますが、その態様は穏当なものでなければなりません。退職勧奨の際に怒鳴ったり、労働者の人格を否定する発言をしたり、脅迫したり(例えば、「自主退職しないと懲戒解雇するぞ?」と発言するような場合)、嫌がらせをしたり(例えば、退職勧奨に応じるまで仕事をさせない、一人だけ別室に配置して他の従業員と接触させない等)すると、それは違法な行為と認定され、労働者に対して損害賠償義務(慰謝料支払義務)を負うことになります。
 また、このような違法な退職勧奨の結果、退職に応じると労働者が同意しても、後からその同意は無効と判断される可能性もあります。
 いずれにせよ、退職勧奨を受けた場合、突然のことで動揺する方が多いと思いますが、その場で即断即決すること(退職するか否かについて返事をすること)は避けた方が無難といえます。いったん退職の合意が成立してしまうと、あとになって「やっぱり退職したくない」と思っても、退職合意の効力を覆すことは容易ではないからです。そして、退職したくないという方は、はっきりと「退職しません」と会社に伝えることが重要です。

 次に、経営不振を理由とする解雇について説明しますが、このような解雇は「整理解雇」と言われています。普通の解雇や懲戒解雇と異なり、労働者に非がない場合(正確には「解雇に値するほどの非がない場合」)ですので、整理解雇の効力は厳格に判断されます。
 解雇については、労働契約法第16条が適用される結果、当該解雇に「客観的に合理的理由が存在し、社会通念上相当」といえる場合でなければ、無効となってしまいます。そして、この判断にあたって、整理解雇の場合には「人員整理の必要性」、「解雇回避努力義務の履行」、「被解雇者選定の合理性」、「解雇手続の妥当性」という4つの要素が主に考慮されます。

 「人員整理の必要性」においては会社の経営不振の程度が問題となりますし、「解雇回避努力義務の履行」においては会社が解雇を避けるための努力(例えば役員報酬の減額や従業員の給与減額、希望退職者の募集など)をどの程度行ったのかが問題となります。さらに、「被解雇者選定の合理性」においては、どのような理由で解雇の対象となる労働者を選んだのか、その理由は合理的といえるかが問題となりますし(例えば、経営者の単なる好き嫌いで対象となる労働者を選んだ場合には被解雇者選定の合理性がないといえます)、「解雇手続の妥当性」については解雇する労働者に対して、説明の場を設けたのか、当該労働者が納得できる程度に具体的に説明をしたのかといった点が問題となります。これらの4つの要素について会社側が具体的に立証しないと整理解雇は無効となる可能性が高いので、安易な整理解雇は控えることが必要です。
 労働者の立場からすると、整理解雇された場合、その他の解雇に比べて解雇無効と判断される可能性が高いので、納得できない場合にはまずは弁護士に相談してみるのがよいと思います。

 思った以上に長文となりましたので、このへんにしときます。それではまた来月に更新しますね。

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2021年2月27日 | コメント/トラックバック(0) |

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2度目の緊急事態宣言

 事前に予告されていたとおり、本日、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県で
緊急事態宣言が出されました。
 これのみにとどまらず、今後、大阪や愛知などの大都市でも緊急事態宣言が出される可能性があります。

 この度の緊急事態宣言は、飲食店の営業時間短縮化・飲食店への来店者数減少を主に企図していることは明らかですが、そうなると飲食店は経営が相当苦しくなると思います。資力に余剰がある株式会社はさておき、中小企業や個人事業主にとっては死活問題で、特に賃料が高額なエリアに出店している飲食店や従業員を多数雇用している飲食店は、補償を受けても補えない可能性があると思います。

 もっとも、上記に関して、「賃料や給料・仕入れ代金を支払えない=破産するしかない」と安易に結びつけて悲観的になりすぎる必要はありません。このような厳しい状況について各種債権者も理解を示し、柔軟に支払い計画の変更に応じてくれることがよくありますので、任意整理(将来利息や遅延損害金の一部をカットしてもらって、無理のない範囲で分割返済するように債権者に申し入れ、合意すること)をまずは検討されるのがよいと思います。

 どうしたらいいかわからないという方、近日中に借金や賃料の支払いができなくなるという方は、当事務所にお気軽にご相談ください。当事務所は相当数の債務整理案件を取り扱っていますので,お力になれると思います。もちろん、必ずしも任意整理だけで解決できるとは言えず,破産や再生を検討せざるを得ない場合もありますが、それでも、将来的な選択肢について専門家である弁護士に相談して助言を得ることは有用ですし、一人で考えてふさぎ込んでいるよりも多少は気が楽になると思います。

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2021年1月7日 | コメント/トラックバック(0) |

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2020年最後の投稿

 とうとう今年も残すところ、あと1日強となりました。今年は3月末ころから年末に至るまで、コロナに翻弄された1年でした。飲食業や観光業と異なり、コロナが法律業に直接影響するということはなく(私見です)、その意味で私がいる業界は恵まれているのかもしれません。
 もっとも、当初、破産・任意整理・個人再生といった債務整理の相談が急増するのではないかと思っていましたが、今年1年を振り返ると例年と同程度の相談数にとどまっています。また、整理解雇の相談も同様に急増すると思っていましたが、こちらも特に増えたという印象はなく、例年どおりと感じました。これらの理由はよくわかりませんが、来年以降どうなるか、全く予想がつきません。

 このままコロナが流行し続けると、東京オリンピックの開催は絶望的でしょうし、景気も次第に悪化していくでしょう。そうなると日本経済全体がどうなるのか不安ですが、こんなときこそ、創意工夫して乗り越えていきたいと考えています。

 来年度も最善のリーガルサービスを提供できるように謙虚に自己研鑽を続けていきたいと思います。法律以外にも学びたいことはたくさんあるのですが、欲張ると全て中途半端になることはここ数年の自分の経験でわかっているので、優先順位をつけてやっていきます。

 それでは、皆様、よいお年をお過ごしください。

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2020年12月30日 | コメント/トラックバック(0) |

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