JALの客室乗務員の整理解雇についての判決


 昨日、東京地裁で、JALの客室乗務員72名が整理解雇が無効と主張して提起した地位確認請求訴訟の判決が出たようです。
裁判長は白石裁判官で、私も労働審判で何度もあたったことがあります。

 上記訴訟の結果は、整理解雇有効(というわけで、請求棄却)。JALの客室乗務員としてはやりきれない思いがあるでしょう。
整理解雇の有効性は、整理解雇の必要性があったかどうか、解雇回避努力義務を尽くしたかどうか、被解雇者選別の妥当性、手続の妥当性の4要件を中心に種々の事情を総合考慮して判断されるわけですが、整理解雇は解雇される労働者側に非がないことから(会社都合の解雇ですから)、そう簡単には認められません。
 しかし、JALのような大会社だと整理解雇を行うにあたって事前に弁護士に相談しているでしょうし、会社更生手続中で世間の注目を浴びていたことから、整理解雇が無効とならないように十分な準備をしていた(4要件を満たすように手続をふんでいた)ことが想像できます。

 JALのパイロット76人が同様に整理解雇無効を主張して提起した地位確認訴訟も3月29日に棄却されています。こちらの裁判長は東京地裁の渡辺弘裁判官。白石裁判官も渡辺裁判官もどちらも東京地裁労働部(東京地裁では、民事11部、19部、36部が労働部)の部長さんですね。

 上記の2つの判決文を見ておらず詳細な内容を把握していませんので、判決自体についてのコメントはできませんが、整理解雇に関する事件を受任する際には相手方の会社が大会社かどうかに注意しないといけないと思います。上記のとおり、上場企業等では、顧問弁護士、企業内弁護士がついていて会社が整理解雇実施前に弁護士に相談している可能性が高いからです。弁護士であれば、整理解雇の難しさを認識した上で解雇が無効とならないようにアドバイスしているはずですから、明らかに整理解雇無効という案件は少ないわけですね。これに対して、いわゆる中小企業や社長がワンマンの企業だと、事前に弁護士に相談することなく独断で従業員を解雇することが多いので、整理解雇が無効になることが多いように感じます。私の経験談にすぎませんけど…。

 いずれにせよ、上記2つの判決について原告側は控訴する意向のようですので、まだまだ目が離せないですね。

 ちなみに、労働事件を取り扱う弁護士にとって、渡辺弘裁判官著の「労働関係訴訟(リーガル・プログレッシブ・シリーズ)」(青林書院)と山口幸雄裁判官、三代川三千代裁判官、難波孝一裁判官編著の「労働事件審理ノート(第3版)」(判例タイムズ社)は菅野和夫先生著の「労働法 第9版」(弘文堂)、厚生労働省労働基準局編の「平成22年版 労働基準法」[ / 下巻](労務行政)と並んで必読文献だと思います。これだけあれば、労働法はバッチリです。















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