平成27年度司法試験合格発表

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 9月に入って急に気温が下がった感がありますね。暑がりの私にとってはありがたいことですが、急な寒暖差に体調を崩された方も多いのではと思います。

 さて、今日は司法試験の合格発表日ですね。合格者数を1500人程度に減らすべきとの提言があったので、今年の合格者数は1500人~1800人と予想していましたが、意外にも1850人でした。

 しかしながら、合格率は23.07%(合格者数1850人÷受験者数8016人)に留まっており、それなりに厳しい試験ではないかと思います。合格率3%台の旧司法試験に比べれば、だいぶ優しくなったわけですが、それでも法科大学院入学者数が年々減少しているのは、法科大学院卒業後に受験回数の制限があること、司法試験合格後の就職率が芳しくない(又は新人弁護士の待遇が低下している)こと、法科大学院の学費(人によっては予備校費がプラス)がかさむ上に司法修習中が無給であること等が影響しているのではないでしょうか。

 法科大学院への進学を躊躇する理由が仮に上記の通りであるなら、確実なのは、予備試験合格を目指しつつ、(私立に比べて)費用が安く、かつ、司法試験の合格率も高い、さらに合格後の就職率もよい国立大学法科大学院も併せて志願するのが無難と思いますね。今年の合格率は、予備試験経由、一橋大学、京都大学、東京大学、神戸大学、の順らしいので、予備試験とこれらの大学院を目指して一生懸命勉強するのが法曹になる近道でしょう。予備試験に合格できなかかったとしても、予備試験にむけた勉強は当然、司法試験対策にもなりますし。

 ただし、上記の法科大学院の合格率が高いのは、入学した時点で入学者にそれなりの学力があることに加え、入学後も周囲を意識しながら必死に勉強したからにほかならないと思います。周囲が必死に勉強していると、焦って「自分も勉強しなくては」と思って必死にやるはずで、その効果は相当大きいのではないでしょうか。
 余談ですが、私は一橋大学法科大学院の出身の先生に、合格率が高い理由を尋ねたことがあります。私は、教育内容がよいのかな(少人数のゼミ等が充実しているのかな)と思っていましたが、かえってきた答えは「みんな、めちゃくちゃ勉強していますよ。」とのことでした(笑)。

 最後に、今年は、久々に試験問題漏えいの話題が出てきました。答案の出来が良すぎて、採点者の目にとまったとのことですが、一体どんな答案を書いたのか、そこが一番気になりますね。
 ちなみに、私の場合、司法試験本番で、憲法の問題を検討して「これはけっこう書けるぞ」と意気込み、8頁いっぱい憲法の答案を書いたことで時間が足りなくなり、行政法で4頁ちょっとしか答案を書けなかったいう苦い思い出があります(当時は公法4時間という試験でした。)。普段は、時間的に憲法で5~6頁、行政法で5~6頁の合計10~12頁しか答案を書けなかったので、上記のような結果になることは簡単に予想できるはずなんですが、そこが試験本番の怖いところですね。公法の試験が終わった瞬間に「落ちた」と思い、しばらく立ち直れなかったことをよく覚えています(笑)。

 

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