開業してから1年が経過しました。
最近、裁判員裁判の準備に忙殺されていて、ブログも放置していました。気がつけば、昨年2月21日に事務所を開業してから1年が経過していました。
開業し始めた当初は事務所を維持できるのか不安で仕方なかったですが、なんとかうまくやってこれました。司法改革による弁護士の大増員によって「食えない弁護士」がたくさんいると言われていますが、私が知っている既に独立している弁護士、即独した弁護士(東京近郊)はうまくやっていけているようです(とはいっても、経済的に「余裕」のある弁護士は少ないんですが。)。
ただ、今が順調でも、毎年、弁護士数が順調に?増加していますので、今後どうなるかは全くわからないところです。将来の減収に備えて、今のうちからコツコツと貯蓄している弁護士はけっこう多いです(私の知人限定の話ですが…)。私も貯蓄しなきゃと日々思っているんですが、ついつい缶コーヒーを自販機で気ままに買ったり、遅刻しそうになってタクシーを利用したりといった無駄遣いを続けています。2年目の今年は強い意思をもたないとダメですね。
とりあえず、まずは裁判員裁判が終わるまで余計なことは考えないようにしたいと思います。
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2013年2月28日 | コメント/トラックバック(0) |
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残業代請求に対する会社側(使用者側)のよくやる反論
もうすぐ始まる裁判員裁判の準備で徐々に忙しくなってきました。裁判員裁判が始まると他の業務をやるのは事実上不可能になりますので、今のうちに労働審判申立書等の起案に集中しています。
ふと思ったのですが、労働審判を相当数こなしていると、次第に会社側の反論がある程度パターン化できることに気づきます。例えば、残業代(時間外労働に対する割増賃金)支払請求について代表的な反論を挙げると、申立人(労働者)は管理監督者である、会社は残業を指示していない、タイムカードの記載は自己申告制(手書き)だから信用できない、残業代は基本給に含まれている、といった反論があります。
ですが、管理監督者性が認められるには、月額給与が相当高額である、出退勤が管理されていない、相当程度の権限があるといった要件を満たす必要があり、実際には管理監督者であると判断されるのは極めて稀ですね。ちなみに、課長や部長といった立派な役職名がついていても関係ありません。「部長だから残業代はもらえなくても仕方ない。」等と思っている方が想像以上に多いですけど、それは誤解です。
次に、残業を指示していない(労働者が勝手に残っていただけ)という反論も容易には認められません。会社が明確に残業を指示していなくても、労働者が一定期間残業していたのを知りながら何も言わずに放置していた場合には、残業について黙示の指示があったと認定されやすいです。
それから、中小企業ではタイムカードが機械式ではなく手書きのものも多いですが、タイムカードを毎日提出していた、タイムカード記載の時間が詳細である、日報とタイムカードに矛盾がない等の事情があれば、手書きであってもタイムカードが信用できないとは判断されにくいですね。
残業代が基本給に含まれているとの反論については、就業規則や雇用契約書にその旨の明確な記載があるだけでは足りず、基本給のうち残業代部分がいくらかを明確に判断できるような定め方をしていないと認められません。例えば、「基本給には残業○○時間分を含む」といった定め方ではダメですね。
ほかにもいろいろとお伝えしたいことがありますが、今日は疲れましたのでこのへんで終わりにします。久々に真面目なことを書いたので疲れました(笑)
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2013年2月16日 | コメント/トラックバック(0) |
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「労働審判」について知るには…
ようやく東京に戻ってきました。2月10日は福島県、11日は和歌山県、12日は三重県と出張が3連続で続いていて、さすがにぐったりしています。
東京に帰ってきて一休みしたいところですが、明日は某市の市役所相談が朝から入っていますのでそうはいきません。一人弁護士事務所のツライところですね。4月に女性の先生が合流してくれますので、仕事を割り振って少しは余裕ができるはずですから、それまで頑張るしかないかなと。
さて、久々に労働問題について書きますが、「労働審判」という制度は開始以来順調に運営されているようです。利用者数は制度開始から数年間増え続け、最近は高止まりという傾向にあります。ですが、一般社会ではまだまだその存在は知られていないようですね。少し考えれば当然なんですが、労働紛争に巻き込まれない限り、弁護士に相談したり、インターネットで調べたりしませんから仕方ないのかもしれません。
相談にいらっしゃった依頼者さんにはできるだけ具体的に説明するんですが、なかなかイメージが湧いてこないのが実情かもしれません。
最近だと労働審判制度について解説した書籍がたくさん発売されていますが、その中で一番具体的なイメージが湧いてくるのは法律情報出版から発売されている東京弁護士会労働法制特別委員会著の「ケーススタディ労働審判」かなと思います。この本は、挿絵とともに事件の相談から労働審判を経て解決に至るまでの手続や実際に労働審判廷でなされる質問等についても具体的に書かれています。ただ、列挙されている具体的なケースは法律問題が争点になっていますから、弁護士が読むならともかく、一般の方にはやや難しい上に、分量もそこそこありますので、手軽に読めるものではないですね。一般の方向けに簡略化された書籍が発売されるといいんですが…。とりあえず、労働審判を経験したことがない(新人の)弁護士には、具体的なイメージをつかむための書籍として本書をおススメしたいと思います。
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2013年2月12日 | コメント/トラックバック(0) |
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初回接見の重要性
先週は体調を崩してしまい、なかなか業務がはかどりませんでした。ですが、今日から完全復活です。若干の気だるさはあるものの、いつもと変わらずに動ける状態です。
さて、最近、刑事事件の相談が事務所によくあります。「身内が逮捕されてしまって、どうしたらいいかわからないから電話で相談した」という方が多いですね。この場合、まずはできるだけ早く弁護士が接見に行って現状を把握すること、取調べを受けるにあたっての注意事項を逮捕された方に伝えることの重要性をお伝えした上で、初回接見だけでも依頼することをおすすめしています。いきなり逮捕された場合、逮捕された方は、その後どのような手続きを踏むのか、いつ帰れるのか、今後どうなるのかといった点についてわからずに、とてつもない不安を抱えていることが通常ですので、その不安を取り除くのも弁護士の役割になります。
ただ、費用面が厳しいという方(私の事務所では、初回接見は東京都内であれば3万1500円(消費税込)です。近県だとこれに交通費が別途発生します。)には、当番弁護士センターに電話することをお伝えすることもあります。当番弁護は初回接見が無料で、身内の方も依頼できる制度ですが、同制度そのものの存在を知らない方がほとんどですね。
「当番弁護と私選で初回接見を依頼する場合の違いは?」と問われれば、自分で弁護士を選べるかどうかという点が大きな違いであると答えています。当番弁護の場合、どの弁護士が接見にいくかわかりませんし、接見に行く弁護士を選ぶこともできません。「私選でないと一生懸命活動してくれないのでは?」という質問もよくいただきますが、「そんなことはない」と私はいつも答えています。当番弁護で接見にいく弁護士次第ですが、当番だからちゃんとやらないなんてことはありませんので、その点は心配されなくてもよいと思います。
一番大事なことはすぐに接見にいくことだと思っていますので、とにかく初回接見は急いで欲しいというのが私の思いですね。
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2013年1月28日 | コメント/トラックバック(0) |
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1年の総括
月日の流れは早いもので、2012年2月21日に開業してから10か月が過ぎました。開業当初は、起案以外にやることが多くて大変でしたが、会計等は事務員に任せて、起案に集中できる状態になりました。
1年を通じて、労働事件と刑事事件で事務所案件全体の8割から9割を占めており、残りは交通事故と離婚が多く、ほかに境界関係の事件、相続等の一般民事を受任してきました。
来年以降は、労働事件と刑事事件、交通事故事件に力を入れていきたいと思います。また、来年4月から新たにある先生(私よりも経験豊富で、刑事事件が得意分野の先生です。4月になったら改めてご紹介します。)が事務所に入所されますので、これまで以上に依頼者の方のニーズに沿ったリーガルサービスを提供できるようになると思います。
さらに、来年度から、高野博幸公認会計士・税理士と提携しますので、法務のみならず、税務についても強みを発揮できると思います(税務は、不動産取引や相続等で問題となりますし、労働事件でも確定申告等について依頼者の方から質問されることが多いです。)。
なお、年末年始の休みは1月6日までとなっていますが、私は1月1日の午後から事務所に出勤する予定ですので(年明けから労働審判申立が相次ぐと思います。)、正月休みにトラブルに巻き込まれた方(例えば、身内が逮捕された方等。)は遠慮なくお電話いただければと思います。私の直通の携帯電話番号は070-6475-7368です。
今年1年、お世話になった皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございました。そして、来年度も引き続きよろしくお願い致します。
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2012年12月30日 | コメント/トラックバック(0) |
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少年事件について
今日から世間は3連休ですね。クリスマス前の3連休ということで、町を歩く人たちの幸せそうな姿を事務所に出勤するまでにたくさん見ました。
実は、この3連休直前に新たに少年事件を受任しまして、年明けの少年審判に向けて活動することになりました。少年事件では、少年自身に反省を促してしっかり考えさせることが何よりも重要だと思っています。再非行に走らないようには、この作業を欠かすことができません。うわべだけの反省では、審判官に簡単に見透かされますので、審判当日にしっかりと受け答えできるように少年と面会を重ねていきたいと思います。
さて、少年事件では、資力のない少年のために家裁送致後に付添人援助制度というものが存在しますが、同制度の存在はまだまだ世間一般には知られていないようです。少年には一部の例外を除いて資力がないことがほとんどですから、援助制度の利用申請をすればほとんど通りますし、少年が費用を負担することはほぼありません。また、家裁送致前の段階(逮捕・勾留段階)でも、被疑者国選制度や被疑者援助制度を利用することができ、少年が費用を負担することは同様にほぼありません。少年の中には弁護士について欲しいと思っていても、費用が支払えない、親に負担させてしまうと思って遠慮する子がいるようですが、上記制度があるので当番弁護士を遠慮することなく呼んでもらいたいと思っています。
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2012年12月22日 | コメント/トラックバック(2) |
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労働問題についての講演
昨日、夕方まで市役所での法律相談を担当した後、ある業界の方々の勉強会にお邪魔させていただき、30分ほど労働問題について簡単に講演してきました。
30分という時間的な制約がありますので、労使トラブルの中でも解雇について簡単にお話するにとどまりましたが、本当はトラブル発生予防のためにもっと詳しくお伝えしたかったところです。また講演の機会をいただければ、今度はパワーポイント等を駆使して詳細に説明できればと思います。私は基本的に労働者側に立って事件を担当していますが、だからこそ使用者側(経営者)に伝えられる事項がたくさんあります。
さて、今日は急遽、岐阜県の大垣まで刑事事件の接見に行くことになりました。大垣といえば、ムーンライトながらの発着駅です。ムーンライトながらといえば、青洲十八切符と指定席券500円くらいで乗れる品川(東京)~大垣(岐阜)間の格安の夜行列車でして、大学生、高校生御用達ですね。実家が京都にありますので、大学時代には品川→大垣→米原→京都というルートでムーンライトながらを利用してよく帰郷していました。この電車、各座席に足置きもついていて意外に快適です。ムーンライトながらは夜行バスと異なり、ずっと照明がついていますので、寝れなくても本を読むなりパソコンを開くなり自由に過ごせるということと、お尻が痛くなったら座席を立って移動できることがよいですね。
余談ですが、私が大学1年生だったときには、ムーンライトながらの指定席券を買えなかった人たちのために、品川から大垣まで臨時の夜行列車が出ていました。こちらは、いわゆる普通の電車でしてボックス席仕様である上に指定席券なしに誰でも何人でも乗れるので夏休みには満員電車さながらでした。通路には人が寝てたり、座り込んでいたりしており、ボックス席を確保できてもトイレに行くのにひと苦労する感じです。また、シート自体はリクライニング機能なんてもちろんありませんから、座っていてもお尻が痛くなって仕方がありませんでした。一度だけ同列車を利用したことがありますが、二度と乗ろうとは思いませんでしたね(笑)。もしかしたら私が乗った日がたまたま混んでいただけかもしれませんが…。
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2012年12月13日 | コメント/トラックバック(0) |
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12月末に向けて
かなり長い間更新が滞ってしまいました。
ブログを始めた当初は毎日書いていこうと決意していましたが、いったんサボりはじめるとそのままズルズルといってしまうのが人の弱さでして、私もまさにその通りになりました。
今年の2月に事務所を開設して以来、おかげさまで今日までうまくやっていけています。この年末は、京都にて中学校の同窓会が予定されていますので、同会に出席できるよう(京都に戻れるよう)に必死で仕事に取り組んでいます。
今抱えていた刑事事件がここ2週間程で一気に終結しましたので、年末までは民事事件(労働事件)の書面起案に集中したいと思います。
そういえば、いつの間にかすっかり冬モードになっていますね。接見しに各地の警察署を巡る度に、駅前広場がイルミネーションに彩られているのを見て不思議と寂しい気持ちになります(笑)。クリスマスイブも震災関連の法律相談が入りましたので気をひきしめて頑張りたいと思います。
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2012年12月5日 | コメント/トラックバック(0) |
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労働実務についてのおススメ本
年末年始休暇をたっぷりとるために、モチベーションを上げて仕事をしています。12月30日に中学校の同窓会が京都でありますので、仕事の目途をつけて、心おきなく参加したいと思ってます。
さて、私の事務所では労働事件と刑事事件で事務所事件全体の8~9割を占めているんですが、労働事件を取り扱うにあたって時折参照にする本が労務行政より出版されている労政時報の別冊「新・労働法実務相談~職場トラブル解決のためのQ&A 417問」。
この本は弁護士・社会保険労務士による共著でして、基本書と違って、実務で(依頼者さんから)しばしば尋ねられる質問事項についてコンパクトにまとめて書かれていますので、使い勝手はけっこうよいですね。この本を使っている友人の弁護士の評価も上々でした。事務所に一冊あると便利だと思います。
他にもいい本はたくさんありますが、今日は1冊だけの紹介にとどめて、これから随時紹介していこうと思います。
私の近況ですが、昨日(正確には今日の午前2時ころ)は、終電で渋谷まで帰ってきた後に西麻布で他業種の先生らと一緒に軽く(2杯)飲みました。これまでに西麻布で飲んだことはほとんどなくて、私は詳しくないんですが、さすが西麻布と思わされるような隠れた名店(おしゃれなお店)がたくさんありますね。値段が怖くて、一人でふらっと立ち入れないような店もちらほらとありました(笑)。
私が昨日飲んだお店は、入り口の前に池があって、錦鯉が泳いでいるという和洋折衷な感じのバーでしたが、また行きたくなるようないい雰囲気のお店でした。名前を忘れてしまったので紹介できませんが、今度行ったときにはしっかりと覚えてきます。
今日はこれから労働審判の申立書を起案します。
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2012年11月15日 | コメント/トラックバック(0) |
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弁護士の就職・仕事・営業がわかる本
少し前に日本法令から発売された月間ビジネスガイド4月臨時増刊号「弁護士の就職・仕事・営業がわかる本」を買っていて、途中まで読んでそのまま放置していました。
ですが、本日、仕事の合間の気分転換に少し読み返してみたところ、なかなかいいことが書いてあるなぁと再認識させられました。
「法律事務所はこんな人材を求めている。」という特集については、修習生は必読だと思いますね。採用する側の弁護士の本音が惜しげもなく書かれていて
とても参考になると思います。私が修習生だったときにこの本があればなぁと思ってしまうくらいです。
また、即独された先生の話も具体的に取り上げられていて、即独を考えている修習生の方は買っておいて損はないです。私は今年の2月に独立して既に半年以上経過していますが、今読んでも参考になることがたくさん書かれています。
他にも「他士業と弁護士」、「契約・手続ノウハウ」といった興味深い話題が取り上げられている点もよいですね。欲を言えば、もっと弁護士の体験記をたくさん取り上げて欲しかったところですが…。
以上、ふと思いついたので書いてみました。なお、発売されたのが少し前ですから、本屋さんに在庫がある分しか売っていないかもしれません。
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2012年11月8日 | コメント/トラックバック(0) |
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