絶望の裁判所

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 最近、元裁判官で民事保全法の大家である瀬木比呂志教授が書いた「絶望の裁判所」(講談社現代新書)を購入して一気読みしました。

 元裁判官として実際の経験を交えた記載がなされているんですが、私が実際に触れ合った裁判官のイメージとは異なるところが多く、あまりしっくりこなかったのが実情です。出世にとらわれて上司の顔色を伺う裁判官が多いとのことですが、私が修習等で触れ合った裁判官にはそんな印象はなかったんで。もしかしたら、偶然、そういう裁判官ばかりだったのかもしれませんが(笑)。

 ただ、裁判官のキャリアについてわかりやすく書かれているのは興味深かったですね。最高裁長官をトップとして、最高裁判事、東京高裁判事、大都市地裁支部長ってな感じで序列化があるのは耳にしたことがあり、本当なんだろうなと思ったりしています。

 筆者は、裁判所の現状を変えるには法曹一元制の導入が必要と説いていますが、現状変更の要否はさておき、一定程度弁護士としてキャリアを積んだ人が裁判官になるというのは個人的には合理的だと思いますね。修習終了後に裁判官になるよりも、弁護士として社会の中で一定の経験を踏んでから裁判官になる方が当事者に配慮した訴訟指揮を行えるのではと感じます。

 興味のある方は是非ご一読ください。


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