少年事件の試験観察
少年の場合、罪を犯したときには、大人と違って、逮捕、勾留された後に家庭裁判所に送致されます。
そこで、たいていの場合、観護措置がとられて少年鑑別所に身柄が移送されるわけですが、1カ月以内に少年審判が行われ、保護観察、少年院送致等の決定が下されます。これらは終局処分といわれてますが、もう少し少年の様子を見たい(社会内でこのまま更生できるかどうかを様子見したい)と裁判官が判断した場合には中間処分として試験観察の決定が出されます。
試験観察は、あくまで中間処分であって終局処分ではなく、少年を社会にいったん戻して数ヶ月その生活態度、性格等の改善状況をみて、改めて審判が開かれ、そこで終局処分が言い渡されることになります。
いきなりこんなことを書き始めたのは、私が最近まで試験観察になった事件を2件抱えていたからです。試験観察中に真面目にしていれば、終局処分で少年院送致決定が出ることはまずありませんから、試験観察となった少年はみんな真面目に生活するのでは?と思う人がほとんどではないでしょうか。でも、そう単純なことではないんですよね。ほとんどの少年は家庭や交友関係になんらかの問題を抱えていて、その関係を改善しない限り、少年の生活、性格の改善も難しいところです。そして、付添人は家裁調査官と協力して、家庭環境を調整したり、少年の相談にのるなどして援助してあげないといけません。これが、かなり難しい。そもそも、少年に相談されるくらいに付添人は少年と信頼関係を築けてないといけませんし、少年は、自由になると以前の反省を忘れて過去の交友関係に流され、急に連絡が取れなくなるなんてこともしばしばあります。自分の経験を振り返ると、もっとこまめに少年やその親と連絡をとりあうべきだったと反省させられます。
自戒も込めていうと、付添人は少年が試験観察となってからが大変で、引き続き少年と向き合うように努力することが重要です。僕の場合、どうすれば少年から真に信頼してもらえるようになるのか、どうすれば少年の家庭環境をうまく改善してあげられるのかといった点についてじっくり考えたいと思います。
2012年2月7日 | コメント/トラックバック(0) | トラックバックURL |
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