解雇された後の再就職について


 ここ最近、メール、電話による労働問題の相談が増えてきました。相談内容については、そのほとんどが解雇に関係するものです。
解雇されると、収入を断たれて死活問題になりますから、すぐにでも相談したいという気持ちが痛いほどわかります。そして、刑事事件と同じく、労働事件においてもどれだけ早く弁護士に相談するかが重要ですので、解雇されたら、又は解雇される予兆を感じたら、すぐに相談して欲しいと思います。
 解雇されてからしばらく経って相談に来られた場合、関係証拠の確保が十分でないことがよくありますので。

 解雇について相談される方の多くは、退職勧奨と解雇を明確に区別できていないように感じます。退職勧奨については、度を過ぎたものでない限り、違法ではなく、退職勧奨を受けてそのまま出勤しなくなると、「解雇ではなく合意退職だ」と会社から主張されることになるので注意が必要です。
 記録(証拠)に残る形式で、会社に対し、解雇なのか退職勧奨なのかを確認しておかないといけません。

 さて、ここから本題ですが、「解雇されたら、再就職が難しいのでは?」といった内容の相談もよく受けています。
この点については、勤務期間の長短、その方が有する資格や勤務経験等によって異なりますので一概には回答できません。一口で解雇と言っても、懲戒解雇と普通解雇(整理解雇以外)、整理解雇ではその後の就職に与える影響の程度は大きく異なります。懲戒解雇された場合にはその後の再就職が困難となることは明らかですので、懲戒解雇されても仕方がないといえる事情がない限り、解雇の効力を争った方がいいと思います。他方で、整理解雇(経営上の必要性から人員削減のためになされる解雇)の場合には労働者側に非がないわけですから、再就職に与える影響も大きくはないと思います。そして、能力不足や勤務態度不良等の理由に基づく普通解雇の場合には、懲戒解雇に比べるとマシですが、再就職に与える影響は大きいと言えるでしょう。

 上記のように解雇が再就職に与える不利益は決して小さくありません。一生の経歴に残るものですから、解雇に納得できない場合にはその効力を争うことを検討されるとよいでしょう。なお、解雇が再就職に与える影響をおそれて、会社側の提案(例えば、「退職に応じなければ解雇する」といった脅迫じみたもの)を呑む方も多数いらっしゃいますが、労働審判を申し立てた場合、解雇を撤回して会社都合の合意退職扱いとしてもらう、口外禁止条項を付してもらうという条件で調停がまとまることが多いですから、あまり気にしなくてもよいと思います。また、労働審判期日は原則として3回(例外的に4回)しか開かれず、裁判に比べると相当早い期間で終結しますし、非公開ですので、労働者にかかる心的負担は裁判に比べると軽いです。このような事情から、私は早期解決を重視して相談者に対して訴訟提起よりも労働審判の申し立てをおススメすることが多いです。
 

 

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